食塩水の濃度(濃さ)の問題では、「天秤図」と呼ばれる図がよく使われます。
天秤図は、面積図で逆比を使う考え方から誕生しました。「天秤の腕の長さ=濃度」「おもり=濃度の異なる2種類の食塩水の重さ」とすることで、濃度問題をパズル的に解けるようになります。

【濃度算】食塩水の濃さを割合の公式や面積図・天秤図から求めよう!
算数の問題となりやすい食塩水の濃度(濃さ)の基本を解説します。濃度と割合の関係や面積図・天秤図を使った解き方などを理解して、公式丸暗記に頼らないことが大切です。濃度算の考え方は理科の水溶液の問題でも役立ちます。
本記事では、さまざまな濃度問題を天秤図で解いていきます。
濃度の異なる2種類の食塩水を混ぜ合わせる問題
【例題1】4%の食塩水200gと9%の食塩水300gを混ぜ合わせると、濃度は何%になりますか。
問題文の数字を天秤に描き込んでいきます。
天秤図では、腕の左端には一番濃い濃度を、右端には一番薄い濃度を、中央の支点にはこれらの濃度の間にある濃度を書きます。
例題1では、混ぜた後の食塩水は9%よりも薄くなるので、求める濃度(□%)が支点になります。
食塩水の重さが分かっているので、重さの比を図に書き込みます。その後、重さの比の逆比を腕に書き足します。
上の天秤図より、3は、9-4=5(%)を5つに分けたうちの3つ分です。したがって、3=5÷5×3=3(%)なので、□=4+3=4+3=7(%)です。
食塩や水を加える問題
【例題2】12%の食塩水150gに食塩を加えたら、濃度が20%になりました。加えた食塩の重さは何gですか。
天秤図では、食塩は100%の食塩水、水は0%の食塩水と考えます。このことをふまえて、例題2の天秤図を描くと次の通りです。
これより、加えた食塩の重さは、□=150÷10=15(g)です。
【例題3】18%の食塩水200gに水を40g加えると、濃度は何%になりますか。
上の天秤図より、□=18÷6×5=15(%)です。
食塩や水の扱い方が分かれば、基礎の基礎である問題にも天秤図を使えます。
【例題4】20%の食塩水250gの中に食塩は何g溶けていますか。
水△gと食塩□gを合わせると250gになります。上の天秤図より△:□=4:1なので、□=250÷5=50(g)です。

形太
【例題4】は、250×0.2=50(g)ですぐに食塩の重さを求められる。天秤図を使うとかえってめんどくさい。でも、「食塩水のどんな問題にも天秤図が使える」ということがわかったよ。
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