じゃんけんは、グー・チョキ・パーを手の形で表し、どの形を出したかで勝敗を決める遊びです。
日常生活でおなじみのじゃんけんは、中学受験算数では場合の数の問題として出題されます。
3人でじゃんけんをする問題を考えよう
【例題1】A、B、Cの3人でじゃんけんを1回します。このとき、次の各問いに答えなさい。
(1) Aだけが勝つ手の出し方は何通りですか。
(2) Aが勝つ手の出し方は何通りですか。
(3) 1人が勝つ手の出し方は何通りですか。
(4) あいこになる手の出し方は何通りですか。
(1)と(2)の違いがわかりますか?
(1)はAだけが勝って、BとCは負けます。一方、(2)は、(1)の結果だけでは足りません。なぜなら、BかCのどちらかも勝つ場合があるからです。ちなみに、3人でじゃんけんをするので、A、B、Cの3人が勝つことはありません。
(1)と(2)の違いを理解した上で、問題を解いていきましょう。
(1) Aの手の出し方はグー・チョキ・パーの3通りです。
Aだけが勝つ場合、AとBCの手の出し方(A、BC)は(グー、チョキ)(チョキ、パー)(パー、グー)の3通りです。
(2) Aだけでなく、Bも勝つ場合を考えます。
ABとCの手の出し方(AB、C)は(グー、チョキ)(チョキ、パー)(パー、グー)の3通りです。
Bが負けてCが勝つ場合も考えると、AだけでなくBかCも勝つ手の出し方は3×2=6(通り)です。
(1)の答と合わせて、Aが勝つ手の出し方は3+6=9(通り)です。

勝者と敗者の手の出し方(勝者、敗者)は、いつでも(グー、チョキ)(チョキ、パー)(パー、グー)の3通りしかないのね!
(3) (1)ではAだけが勝ちます。しかし、1人が勝つ場合、勝者はAではなくBやCかもしれません。
勝者と敗者の手の出し方は(1)と同じで、勝者はA、B、Cの3通りあるので、1人が勝つ手の出し方は3×3=9(通り)です。
(4) あいこになる手の出し方は、3人全員の手が同じ場合とグー・チョキ・パーのすべての手が出る場合があります。
① 3人全員の手が同じ場合、グー・チョキ・パーの3通りです。
② グー・チョキ・パーのすべての手が出る場合、Aの手の出し方は3通り、Bの手の出し方はAの手以外の2通り、Cの手の出し方はA、Bの手以外の1通りです。したがって、3×2×1=6(通り)です。
①②より、あいこになる手の出し方は3+6=9(通り)です。

①と②は同時の起こらないので、和の法則を使うよ。3×6=18にしないでね。
(4)を余事象で解いてみよう
(4)は、「勝負が決まる手の出し方」の余事象です。
したがって、「あいこになる手の出し方」=「すべての手の出し方」-「勝負が決まる手の出し方」でも求められます。
すべての手の出し方は、A、B、Cの3人がそれぞれグー・チョキ・パーの3通りの手を出せるので3×3×3=27(通り)です。
勝負が決まる手の出し方には、1人が勝つ手の出し方と2人が勝つ手の出し方があります。
2人が勝つ手の出し方は、1人が勝つ手の出し方で勝者と敗者が入れ替わるだけなので、(3)の結果から9通りです。
「勝負が決まる手の出し方」=「1人が勝つ手の出し方((3)の答)」+「2人が勝つ手の出し方」なので、9+9=18(通り)です。
したがって、あいこになる手の出し方は27-18=9(通り)です。

3人でじゃんけんをする問題では、あいこになる手の出し方を直接求めても、余事象を考えても、どちらでもそれほど難しくない。でも、人数が4人、5人、……と増えたとき、余事象の考え方がとても役に立つよ。
コメント