「本文を読まずに正解の選択肢を選べ」という“裏技”を勧める国語指導者(?)がいます。
僕は、このような“裏技”を生徒に勧めません。汎用性がなく、検討するのすらバカバカしいレベルのものがほとんどだからです。
しかし、本文を読まなくとも消去できる選択肢が紛れていることもあるのは事実です。当然、受験生の皆さんはそういう選択肢を選んではいけませんが、何も考えないでいると、うっかり選んでしまうこともあります。
そんな「うっかり」への注意喚起もかねて、本記事では、いわゆる“裏技”を4つ紹介します。
【裏技No1】主述関係のおかしい選択肢
東洋大学の2009年度文系の問題に、次の選択肢がありました。
自己を取り巻く外側の世界の問題が、二十世紀の文明の危機において解体されようとしているから。
この選択肢の主述関係は、主語は「問題が」、述語は「解体されようとしている」です。「問題が解体される」という不自然な日本語になっていますね。しかも、「文明の危機において」「問題が解体(=解決?)される」なら、「文明の危機」は危機ではなく、人間にとってありがたい現象といえるはずです。
こういうとんでもない選択肢を選ばないためにも、まずは選択肢の主述関係を必ずチェックしましょう。
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