【都立高校入試国語対策】直前期の受験生が定着させるべき3つの視点

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【都立高校入試国語対策】直前期の受験生が定着させるべき3つの視点

都立高校入試直前になってもなお勉強法が分からない科目が国語でしょう。

「とりあえず漢字は毎日勉強しているけれど、それ以外に国語は何をしたらいいの?」と悩む受験生は多いはずです。

中には、「塾で国語の授業を受けているけれど、時間の無駄にしか思えない」と考える受験生もいるかもしれません。そして、実際に、塾の国語の授業が時間の無駄になっているんですね(笑)

塾の国語の授業は役に立たない?時間とお金と労力を浪費しないために
大手塾に通う生徒たちは、塾の国語の授業を真面目に受けています。それにもかかわらず、「国語ができない」という状況に陥るのはなぜでしょうか?

さて、本記事では、悩める受験生に向けて、漢字以外の国語の勉強法を紹介します。

制限時間内に解き終わらないのは消去法のせい

国語の勉強で入試直前に行っておくべきことは、制限時間内に問題を解き終える訓練です。

多くの受験生が「時間をかければ全問解き終わるのに、制限時間内には解き終わらない!」と嘆きます。彼らに問題を解かせてみると、ある傾向が見えてきます。それは、消去法で問題を解いている、ということです。

消去法というのは、間違いの選択肢を消していって残った選択肢を正解とする解法です。「国語の選択肢問題は消去法で解く」というのが受験生の間では常識のようです。

しかし、僕は消去法を勧めません。なぜなら、国語ができない生徒たちのほとんどは、消去法で時間を浪費した挙句、正解を選べていないからです。

国語は間違い探しゲームではありません。消去法に頼るのではなく、本文中から根拠を収集して自分で解答を作る積極法で問題を解きましょう。(もっとも、僕のいう「積極法」は、間違いの選択肢の間違い箇所も指摘させるため、消去法とのハイブリッドです)

積極法で問題を解くための3つのテクニック

積極法で問題を解くためには、どのようなテクニックが必要なのでしょうか?

積極法で問題を解くために必要なテクニックがあります。これをきちんと定着させることが、受験直前期の国語の勉強として有効です。

以下では、具体的に3つのテクニックを解説します。使用する過去問は平成26年度です。

【その1】「何を答えるのか?」を把握する

問題を解く上で最も大切なのは「何を答えるのか?」を正確に把握することです。

「そんなの当たり前じゃん!!」と言われそうですが、多くの受験生はこれができていません。彼らは、何となく選択肢を眺めて、適当に「正解っぽい」選択肢を選びます。そもそも「何を答えるのか?」が分からないので、本文中から根拠を探せないんですね。

逆に、「何を答えるのか?」を把握できれば、選択肢を見る前に本文中から根拠を探せます。その根拠をもとに選択肢を選べば、消去法に頼らずとも正解を選べます。

実際に、過去問で確認しましょう。大問3[問2]です。

「でも、見晴らしがいいね。水平線をながめるにはもってこいだ。」とあるが、このときの紺野先生の気持ちとして最も適切なのは、次のうちではどれか。

この問題では、何を答えますか?「紺野先生の気持ち」を答えるんですよ。大丈夫ですか?

「紺野先生の気持ち」を答えると分かったら、本文中から「紺野先生の気持ち」を表す表現を探しましょう。

傍線部直後に次の一文があります。

紺野先生は浮き浮きしたようすで、群青に深まってゆく夜天を見わたした。

「浮き浮きしたようす」が「紺野先生の気持ち」です。紺野先生が何に「浮き浮きし」ているのかをさらに探した方がいいのですが、選択肢ではそこに違いはないので、無視して大丈夫ですよ。

もう少し「紺野先生の気持ち」を探してみます。傍線部の16行前に、次の一文があります。

紺野先生は気になってその少年の傍へ行った。

紺野先生は、少年のことが「気になって」いますね。これも「紺野先生の気持ち」です。

以上の2箇所を根拠にして選択肢を選ぶと、エが正解だと分かるはずです。「浮き浮きした」気持ちは、「期待とうれしさで心が躍る」と言い換えられています。

国語指導者(?)の多くは、「傍線部の前後に答の根拠がある」と言います。しかし、そんないい加減なことばかり教えるから、生徒たちは国語ができなくなるんですよ。傍線部の前後に答の根拠があるにしても、「なぜ傍線部の前後が根拠なのか?」を考える必要があります。

今回紹介した問題では、「紺野先生の気持ち」を答えるために「紺野先生の気持ち」を本文中から探したところ、たまたま傍線部の直後に根拠があったわけです。少年のことが「気になって」いる気持ちに至っては、傍線部から少し離れたところにあります。「傍線部の前後に答の根拠がある」では、こちらの気持ちを見つけられない生徒も出てきます。

「傍線部の前後に答の根拠がある」と思い込む前に、「何を答えるのか?」をまずはチェックしましょう。

【その2】指示語の内容を確認する

指示語とは、「これ」「それ」「この」「その」などのいわゆる「こそあど言葉」です。指示語は前後の内容の言い換えとして使われます。したがって、傍線部に指示語が含まれている場合、指示語の内容を確認する必要があります。

過去問の大問4[問1]で指示語の大切さを確認しましょう。

「それは、複雑適応系の動向に関する問題であり、単純な因果関係の理解にはならないのである。」とはどういうことか。

「どういうことか」と問われているので、傍線部の言い換えを答えます。そして、傍線部に「それ」という指示語があるので、指示語の内容を確認します。が、その前に、傍線部自体の文法構造をチェックしましょう。

「それは、……問題であり」という主述関係を把握できますか?「AはBである」という文では、「A=B」の関係が成り立ちます。つまり、傍線部では、「それ=問題」という関係が成り立っているんですね。漠然と「それ」の内容を探す前に、このくらいは理解しておきましょう。

指示語の内容は、原則として直前にあります。したがって、直前の文から「問題」を探します。

しかし、二酸化炭素の排出による地球の温暖化と気候変動や、生物多様性の減少の問題は、公害や特定の種の絶滅の問題よりもずっと多岐にわたる要素を含んでいる。

「問題」という言葉が二回登場しますが、「どっちなの?」と混乱しないでくださいね。「(一つ目の)問題は、(二つ目の)問題よりも……」と書いてある以上、筆者が重視している問題は一つ目の「問題」です。したがって、「それ」の内容は、「二酸化炭素の排出による地球の温暖化と気候変動や、生物多様性の減少の問題」です。

以上より、「それ」の内容が適切に言い換えられている選択肢はイしかありません。指示語の内容を本文中で確認するだけで正解を選べました。いかに指示語が大切か、理解してもらえましたか?

【その3】意味不明な言葉の説明を探す

続けて、大問4[問2]に進みましょう。

「これを続けていってシステムが激変を起こすようであれば、持続可能とは言えない。」とあるが、筆者がこのように述べたのはなぜか。

「なぜか」と問われているので、傍線部の理由を答えます。しかし、傍線部中に指示語がある以上、その指示語の内容を確認すべきなのは[問1]と同じです。

指示語の「これ」は、「システムが激変を起こす」可能性のあるものです。したがって、直前の文から「これ」を言い換えると、「多くの種を絶滅させ、食物網を単純化させること。」になります。さらに前の文をふまえれば、「大量のエネルギーを使い、いろいろな物質の循環を乱すこと。」でもよさそうですね。だからといって、「正解はア」とか「正解はウ」とか言わないでくださいね。本文中の根拠探しがまだ十分ではありません。

指示語の内容確認が終わったら、次に行うべきことがあります。それは、傍線部中の意味不明な言葉の説明を本文中から探すことです。傍線部中に「持続可能」という言葉がありますが、これはどういう意味ですか?

「えっ、『続くことができる』って意味じゃないの?」と答える生徒はアウトです。国語の問題では、辞書的な意味だけで言葉を解釈するのは危険です。その言葉を筆者は本文中でどう定義しているか、を確認しなければならないんですよ。

というわけで、「持続可能」の説明を本文中から探します。「持続可能」という言葉を見つけるべく本文をザーッと眺めます。すると、第八段に次の一文があります。

人間の生存に適した環境をのちの世代まで続けて残していくことが、持続可能性の考えの根幹である。

「持続可能性の考えの根幹」と述べているので、この部分が「持続可能」の説明です。すなわち、「持続可能」とは、「人間の生存に適した環境をのちの世代まで続けて残していくこと」なんですね。

この「持続可能」を適切に言い換えられている選択肢はどれですか?エしかありませんよね?

当たり前のことを当たり前に

本記事で紹介した3つのテクニックは、「テクニック」というのもバカらしいくらい、どれも当たり前のことばかりです。しかし、僕にとっての「当たり前」が、多くの受験生にとって当たり前ではありません。

現実的な話として、これから数学や英語を飛躍的に伸ばすのは困難です。しかし、国語であれば、これからでも点数が劇的にアップする可能性があります。なぜなら、問題を解くための視点を変えるだけだからです。たったこれだけのことで1、2問正解が増えるはずです。そして、その1、2問で大きく点差が開くのが都立高校入試です。

漠然と選択肢を眺めて消去法をするのではなく、まずは本文中から根拠を探しましょう。そのためのテクニックとして、本記事で紹介した3つが役に立ちます。

3つのテクニックを練習するのに役立つのが、都立高校入試の過去問が10年分収録されている「高校入試 虎の巻」です。

「当たり前のことを当たり前にできるようにする」ことが、入試直前期の国語の勉強ではとても大切です。

トップ画像=写真AC

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