大学生必見!レポートや論文を執筆する前にすべき3ステップ

みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記小論文・作文

大学生になると、高校までとは異なり、期末試験でレポートや論文を作成しなければならないことがあります。こうした試験では、事前にテーマが与えられて、期日までに2000字から5000字程度の文章を書いて提出することが求められます。

しかし、大学では、レポートや論文の書き方を丁寧に教えてくれるわけではありません。そのため、多くの大学生が「レポート(論文)をどうやって書くの?」と戸惑います。

そんな大学生のために、大学時代に僕が書いたレポート(論文)を題材にして、レポートや論文(以下「レポート」と表記する)を執筆する前にすべきことを3ステップで紹介します。

本記事の内容は、学部の期末試験レベルの論文やレポートで、実験や観察、統計などを必要としない場合を想定しています。理系のレポートや本格的な卒業論文には当てはまらない記述もあります。

また、東大や京大などのトップレベルの大学では、本記事で紹介する書き方が通用しない可能性があります。

レポートの書き方をしっかり学びたい大学生は、所属する研究室の教授に指導を仰ぐのが一番です。また、以下の書籍を一読することもお勧めします。

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【Step1】問題提起と結論を決める

レポートを書く場合、何をするよりも先にやらなければならないのは、問題提起と結論を決めることです。

問題提起

問題提起とは、「●●は▲▲だろうか?」という「問い」を投げかけることです。大学での勉強は、「問い」の発見から始まります。

期末試験レベルのレポートを書く場合、受講した講義をヒントにするのが楽です。具体的には、次のことから「問い」を設定しましょう。

  1. 講義で学んだ内容について、「なぜ?」と疑問に思ったこと。
  2. 講義で学んだ理論などを適用できる、講義で紹介されていない事例。
  3. 講義で学んだ理論などと他の理論などとの組み合わせ。

たとえば、経済学でゲーム理論の「囚人のジレンマ」を学んだのであれば、「囚人のジレンマを解決するにはどうすればよいのか?」(1の例)、「囚人のジレンマは東日本大震災後の復興事業でも成り立っていたのか?」(2の例)、「囚人のジレンマとプラグマティズムはどのような関係にあるのか?」(3の例)などの「問い」を設定できます。

結論

問題提起をしても、その「問い」に答えられなければ意味がありません。「●●は▲▲だろうか?しかし、私には、何をどう検討すればいいのかすら全く分かりません。」ではダメです。

したがって、問題提起に対する結論をあらかじめ決めてしまうことが大切です。

結論は、直観的に思いつくもので構いません。「囚人のジレンマを解決するにはどうすればよいのか?」に対しては、「長期的な信頼関係を築く」などがパッと思いつくでしょう。これで十分です。「『長期的な信頼関係』とは何か?」「長期的な信頼関係を築くにはどうするか?」などについては、調べていく中で明らかになるはずです。最初の段階では深く考えないことです。

逆に、パッと結論が思いつかない「問い」は破棄しましょう。調べながら結論を考えるのは無駄が多い上に、自分のすべきことの方向性を見失いがちだからです。

また、調べていく中で、自分の出した結論が間違っていると判明する場合もあります。そういう場合は、自分の考えた結論を破棄して正しい結論でレポートを書き進めるか、問題提起からやり直すか、のどちらかになります。

問題提起と結論の例

僕が大学時代に書いた「摂食障害の宗教学的考察――ケガレとタブーを手掛かりとして――」というレポートを見てみましょう。

このレポートは、宗教学の期末試験用に作成したものです。当時、僕は健康政策学ゼミに所属していて、ダイエットブームに興味を持っていました。そこで、ダイエットブームと関連する摂食障害(拒食症や過食症)を宗教学的に考えてみようと思いました。

問題提起は「摂食障害がどうして増えているのか?」で、結論は「摂食障害はケガレである。ケガレの中にいる女性たちをケ=日常生活に戻すためのハレ=祭りが機能していないため、摂食障害が増えている。」です。

【Step2】資料を収集する

問題提起と結論が決まったら、次は、執筆に必要な資料の収集です。収集のコツを紹介します。

ネット検索を利用する

インターネットにつながる環境があるならば、自分のレポートのキーワードを組み合わせてネット検索します。

たとえば、「囚人のジレンマを解決するには長期的な信頼関係を築く必要がある」という内容のレポートを書きたいならば、「囚人のジレンマ 信頼関係」などの言葉を組み合わせます。

自分が書こうと思っていたのと同じ問題提起・結論の論文がヒットした場合、自分のレポートのテーマを変更しなければなりません。そうしないと、盗作や剽窃の疑いをかけられてしまいます。

一方、同じテーマを扱っていても切り口の異なる論文がヒットした場合、そうした論文には目を通しておきます。先行研究は、レポートを書く上で参考になりますし、場合によっては引用の形で利用させてもらうこともあるからです。

これらの論文については、結論や調査方法だけでなく、参考文献もチェックします。他の研究者が利用した文献は、自分のレポートでも役立つことが多いからです。

また、同じテーマを扱った複数の論文に共通する参考文献は、そのテーマを理解する上で必読の文献です。こうした文献は、可能な限り、読んでおくことが望ましいです。たとえば、ゲーム理論についてレポートを書くならば、J.フォン ノイマン他『ゲームの理論と経済行動』は外せません。

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図書館を利用する

大学の図書館に設置されたコンピュータの蔵書検索機能を使って、レポート作成に必要な資料を収集します。

まずは、ネット検索で調べて「必要だ」と思った文献があれば、それが蔵書されているかどうかを確認します。タイトル」欄に書籍名や雑誌名を入力して検索ヒットすれば、蔵書されていると分かります。

次に、ネット検索と同じく、自分のレポートのキーワードを「件名」欄に入力して検索します。ただ、ネットとは違い、ある程度大まかなキーワードでしか検索できないのが難点です。

「囚人のジレンマ 信頼関係」ではなく、「囚人のジレンマ」だけで検索します。それで何もヒットしない場合は、「囚人のジレンマ」の上位概念である「ゲーム理論」で検索すると、該当する蔵書の一覧が表示されます。その中から、レポート作成に必要そうな本の名前と配架場所をメモっていきます。

開架書庫にある本はその場でチェックしましょう。目的の本を見つけたら、パラパラと立ち読みします。レポート作成に使えそうな本なら借りることにして、そうでない本は棚に戻します。1回で借りられる本の冊数には制限があるので、借りる前に本を選別する必要があります。

開架書庫で十分に資料を集められない場合は、閉架書庫からも本を探してみましょう。

ネット検索と図書館利用の例

「摂食障害の宗教学的考察――ケガレとタブーを手掛かりとして――」を例に具体的に説明します。

僕のレポートでは、「摂食障害」「ケガレ」「タブー」「ハレ」などがキーワードです。これらのキーワードを組み合わせて、「摂食障害 ケガレ」「摂食障害 タブー」などで検索してみます。

「摂食障害 タブー」で検索したところ、森千鶴「思春期女子のボディイメージと摂食障害との関連」という論文がヒットしました。これは、小中学生を対象とした調査に基づき、「ボディイメージ」という切り口から考察した論文です。僕のレポートでは、この論文を参考にしたり引用したりすることはなさそうです。

他にも、さまざまなキーワードで論文を検索した結果、ヒットした論文の多くでメアリ・ダグラス『汚穢と禁忌』が参考文献に上がっていました。また、摂食障害の定義は、『精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-IV)』を参照すべきことも分かりました。これらの書籍名をメモして、次は図書館で蔵書検索しました。

『汚穢と禁忌』以外にも、フェリペ・フェルナンデス=アルメスト『食べる人類学 火の発見からフアーストフードの墓延まで』や福田アジオ・宮田登編『日本民俗学概論』なども借りて、手許に資料はそろいました。いよいよ執筆前の準備に入ります。

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【Step3】執筆前の準備をする

いきなり文章を書き始める前に準備が必要です。レポートは、書きながら考えるのではなく、考えてから書くと失敗しません。

レポートの構成を決める

レポートの構成は「序論・本論・結論」です。

「序論」では、問題提起とそのような問題意識を持った理由を書きます。理由には、時代背景や先行研究の紹介などを書きます。

「本論」では、言葉の定義や調査の方法、結論の根拠などを書きます。根拠が複数ある場合などは章をいくつかに分けます。

「結論」では、自分で考察したことを書きます。考察して導いた結論が、序論で述べた問題提起に対応しているかをチェックしましょう。

資料に付箋を付ける

収集した資料で、レポート作成に必要な箇所に付箋を付けていきます。付箋には、「●●について詳しい」「▲▲の例」「本論第2章で参照する」など、「何について書かれているのか?」「レポートのどこで使うのか?」などを端的にメモしておくといいでしょう。

ネットから印刷した論文やコピーしたページならば、直接書き込んだり、折り目を付けたりしても問題ありません。

レポートの構成の例

「摂食障害の宗教学的考察――ケガレとタブーを手掛かりとして――」では、次の構成にすることにしました。

  • 序論:「飽食の時代」といわれる現代日本の状況、及び、食の文化的な側面についてまとめる。
  • 本論:「摂食障害の説明」「ケガレとタブーの説明」「摂食障害とケガレの関係」の3つの大きな章に分ける。
  • 結論:「ハレ」の概念を導入して「ケガレ」をより深く理解した上で、摂食障害が増えている理由を考察する。

以上のことを大まかに決めて資料を整理したら準備完了です。あとは、パソコンの前に座ってひたすら文章を打ち込んでいくだけです。

次のページで「摂食障害の宗教学的考察――ケガレとタブーを手掛かりとして――」を公開します。拙いレポートではありますが、参考文献の書き方なども含めて参考にしてもらえればと思います。(内容の正しさは保証しませんので、あくまでも書き方の例として参考にしてください。)

レポートや論文は怖くない

学部の期末試験レベルのレポートや論文は、作文や読書感想文とは異なります。とはいえ、ハイレベルなものを求められているわけではありません。最低限のルールを守ったレポートで、一般的な大学生が考え得る内容になっていれば、単位をもらえるはずです。

大学生の皆さんは、「レポートが書けない!」と思い悩まずに、気軽に取り組んでみてください。

トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ

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