公立中学の適性検査や高校の推薦入試では作文が出題されます。こうした作文を書くための心構えやテクニックについて解説します。
採点者に読ませることを意識する
小中学校の作文指導?では、「本当のことを書きなさい」と先生は教えているようです。そのため、生徒たちは、「本当のことを書かなくではいけない」と思い込んでいます。
しかし、作文は日記ではありません。出来事や思ったことを全て正直に書いてはいけません。
そもそも、適性検査や推薦入試では作文を採点するのは、受験生にとって赤の他人です。採点者は受験生の個人的な事情を知りませんし、知っていて点数操作をすれば不正となります。
採点者は、作文内容が真実かどうかを採点基準にはしません。作文の論理構造や誤字脱字の有無、敬語の使い方、原稿用紙の使い方など、形式的な面を中心に採点します。
したがって、適性検査や推薦入試の作文では、採点者に読ませることを意識することが大切になります。大切なのは内容の真偽ではなく形式です。
採点者を不快・不安にさせない
採点者は、作文に書かれている内容が真実か否かを見るわけではありません。とはいえ、内容ももちろん採点の対象です。採点者を不快・不安にさせるような記述は大減点の可能性があります。
反社会的・非道徳的な記述
こうしたことは事実であっても書いてはいけません。適性検査や推薦入試では、「素行がいい生徒」が求められます。反社会的・非道徳的な記述は避けるべきです。
ネガティブ表現
こうしたネガティブ表現も避けましょう。たとえ、本心ではそう思っていたとしても、です。
字数稼ぎのために(?)ネガティブ表現を盛り込む生徒もいます。
これらの文の「~が」の前は、「この子は、勉強と部活を本当に両立できるのかな?」「この子は、本を全く読まないのかな?」と採点者を不安にさせるだけです。
採点者は、「この生徒は大丈夫かな?」と思う作文に出会ったら、何らかの理由を付けて大減点するかもしれません。そうならないためにも、「~が」の前を削除します。
ネガティブ表現の有効活用
「現在はそれを克服している」ということを強調するために、ネガティブ表現をあえて作文に盛り込むのは大丈夫です。
過去と現在の対比を通して自分の成長をアピールするのは、作文を魅力的にする常套手段です。とはいえ、反社会的・非道徳的な表現はこの場合も避けなければなりません。
短所や苦手科目もポジティブに
では、次のようなテーマが出題された場合はどうすればよいのでしょうか?
- あなたの短所について書きなさい。
- 苦手科目について書きなさい。
短所や苦手科目について作文を書く場合、見方を変えればポジティブになることを書くのが鉄則です。
短所の書き方
「私の短所」であれば、次のように書きます。
これは一見すると短所ですが、次のように書き方を変えれば長所にもなり得ます。
このように、短所にも長所にもなることを書けばいいんですね。他にも、次のような「短所」があります。
苦手科目の書き方
苦手科目についても、短所と同じように考えます。
これではダメです。勉強を点数と結びつけてはいけません。
こちらなら問題ありません。「日常生活との関係が見えない」はもっともな理由ですし、「日常生活との関係が見えれば」数学を好きになりそうな印象を与えられます。
他にも、次のような書き方があります。
苦手科目について書いた後は、お約束として、「高校(中学)入学後は、●●(苦手科目)を中心に勉強するつもりです。」と付け加えておきましょう。
「大人らしさ」を作文で演出
採点者を意識した作文を書くスキルは、大人に求められるスキルでもあります。
そもそも、適性検査や推薦入試で求められるのは、落ち着いた大人っぽい生徒です。何でもかんでも正直に言ってしまう子どもっぽい生徒ではありません。
こうした生徒像に合わせるためにも、受験生は、作文を通して「大人らしさ」を演出することが大切です。
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