英語の比較表現は“比較級+ than ~”“the +最上級+ in/of ~”“as +原級+ as ~”と表されます。しかし、この形を覚えるだけだと、少し複雑な比較の英作文を書けません。
本記事では、英語の比較表現についてわかりやすく解説します。
比較級の文を作ってみよう
比較級の文を作るための原理原則を理解しましょう。
be動詞の文を比較級で書きかえる
「ボブはトムより背が高い。」という比較級の文を作ってみましょう。このとき考えるべきは、「ボブは背が高い。」と「トムは背が高い。」の2文です。
「ボブはトムより背が高い。」は、「ボブは~背が高い。」という主述関係なので、①が文の中心となります。したがって、①に②をくっつけます。
まずは、①で、比較級になる形容詞や副詞を探します。今回は“tall”が形容詞なので、これが“taller”に変形します。
次に、①で比較級にした形容詞や副詞と同じ単語を②から探して削除します。また、①と②は述語(動詞)が共通するので、②の“is”も省略します(省略せずに残すこともできます)。
これらの手順を経て、①と②の文は次のようになります。
接続詞“than”を使って、②を①の文末にくっつけました。これで「ボブはトムより背が高い。」という比較級の文が完成です。
英語の比較表現で大切なのは、2文をくっつけて1文にするという原理原則です。
一般動詞の文を比較級で書きかえる
「彼は私よりも速く走れます。」も、「ボブはトムより背が高い。」と同じように考えてみます。
“than”の後ろが目的格の“me”ではなく主格の“I”なのは、2文をくっつけたからです。また、②の動詞を残したい場合、“can”だけを残します。
原級や最上級の文を作ってみよう
比較級の文だけでなく、原級や最上級の文も同じ理屈で考えます。
原級の文を作ってみよう
「彼は私と同じくらい速く走れます。」という原級表現の場合、①で副詞“fast”を“as ~ as”で囲み、その後ろに②をくっつけます。
“as fast as”で、“fast”の前の“as”は副詞、“fast”の後ろの“as”は接続詞です。
最上級の文を作ってみよう
「彼は家族の中でもっとも速く走れます。」という最上級を作る場合、副詞 “fast”を最上級にして、“the +最上級+ in/of ~”の形にします。
最上級は2文をくっつけるわけではありませんが、もとになる文を変形しているという原理原則は比較級や原級と同じです。
“more”の位置を間違わないために
「由美は健より多くの本を持っています。」という文でよくある間違いは次の通りです。
この文の間違いを発見するためには、原理原則通りに「由美は~多くの本を持っています。」という文を作ってみます。
ここで注意すべきは“many”の位置です。「比較」の文を作るときは、もとになる文の語順を変えてはいけません。したがって、“many”の比較級である“more”は“books”の前に置きます。
もとになる英文を先に考えよう
英語で比較表現を作る場合、「~よりも」「~と同じくらい」「~の中で」を除いてもとになる英文を先に考えましょう。そうすれば、“more”を複数名詞の後ろに置くような間違いもしなくなるはずです。
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