多くの中高生が”if”の使い分けを苦手とします。なぜなら、if節には副詞節と名詞節があるからです。
本記事ではif節の違いを見分けるコツを紹介します。
if節の時制は和訳で考えるべきか?
【問題】空欄に当てはまる適切な語句をア~エから選びなさい。
1. I will go out if he ( ) here tomorrow.
ア will come イ comes ウ came エ coming
2. I don’t know if he ( ) here tomorrow.
ア will come イ comes ウ came エ coming
正解は1がイで、2がアです。
同じような英文なのに、どうして”come”の時制が違うのでしょうか?
問題集では次のような解説をよく見ます。
1. 「もし…すれば」―条件の副詞節。未来のことでも現在時制。
2. 「…するかどうか」―名詞節。未来のことは未来時制。
この解説を読んで「ああ、なるほど!」と思った生徒は、本当に解説を理解できているかどうか疑ってください。この解説で納得できるのなら【問題】で絶対に間違わないはずです。
if節の時制が現在か未来かを判断するとき、和訳に頼ってはいけません。
if節の外にある動詞は自動詞か他動詞か?
if節の時制を判断するときは、if節の中(従属節)ではなく、if節の外(主節)にある動詞に着目しましょう。
自動詞の後ろのif節は副詞節
1は、”if”の前にあるのが自動詞の”go”です。
自動詞は目的語(名詞)をとりません。たとえば、”He swims in the river every day.”では、”swim”の後ろに前置詞の”in”があります。
“go”も”swim”と同じ自動詞なので、その後ろにあるif節は名詞節ではありません。したがって、1のif節は副詞節と判断できます。
副詞節は、主節の動詞、もしくは主節全体を修飾する働きをする節です。“if”が副詞節で使われる場合、if節の時制は未来のことでも現在にします。
副詞節の”if”は「もし…すれば」なので、1の訳は「もし彼が明日ここに来れば、私は出かけます。」です。
他動詞の後ろのif節は名詞節
2は、”if”の前にあるのが他動詞の”know”です。
他動詞は目的語(名詞)をとります。たとえば、”I have a pen.”では、”have”の後ろに名詞の”pen”があります。(冠詞の”a”は無視します)
“know”も”have”と同じ他動詞で、その直後にif節が続いています。つまり、if節は”know”の目的語です。したがって、2のif節は名詞節と判断できます。
名詞節は、主語や目的語などになる節です。ifが名詞節で使われる場合、if節の時制は未来のことなら未来にします。
名詞節の”if”は「…するかどうか」なので、2の訳は「彼が明日来るかどうかを私は知りません。」です。
副詞節には直説法と仮定法がある
「もし…すれば」と訳すif節には直説法と仮定法があります。
直説法は、実際に起こる可能性のある場合を表します。【問題】の1は直説法で、彼が来る可能性があると考えられます。
一方、仮定法は実際に起こる可能性がない場合を表します。彼が絶対に来ないとわかっているときに「もし彼が来れば」と考えるのが仮定法です。
現在のことを表す仮定法は「仮定法過去」と呼ばれます。
【仮定法過去】
If +主語+動詞の過去形 …, 主語+ would/could/might/should +動詞の原形 ~.
(訳)もし…すれば、~だろう。
仮定法過去の例文は次の通りです。
If he came here, I would go out.
(訳)もし彼がここに来るならば、私は出かけるでしょう。
(訳)を見ると【問題】の1と区別できないかもしれません。しかし、仮定法過去の文は次のように書きかえられます。
Because he don’t come here, I don’t go out.
(訳)彼がここに来ないので、私は出かけません。
if節の外に”would/could/might/should +動詞の原形”があったら、仮定法過去と判断して、if節の動詞を過去形にするのがポイントです。
自動詞と他動詞、直説法と仮定法を考える
if節の時制を判断する問題では「if節の外にある動詞が自動詞か他動詞か?」「直説法か仮定法か?」を考えましょう。
特に、2を「もし彼が明日ここに来れば、私は知らせません。」と誤訳しないように注意したいところです。
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