多くの高校生が苦手とする文法問題があります。それが次の問題です。
空欄に入る適切な語句を記号で答えなさい。
1. I am sure you will feel a lot better if ( ) a good night’s sleep.
① having ② to have ③ you have ④ you will have
2. I don’t know if he ( ) back next spring.
① will come ② comes ③ came ④ had come
正解は1が③で、2が①です。どうしてこのように時制が異なるのでしょうか?
本記事では、if節の時制の見分け方について解説します。
if節の時制は和訳から考えるべきか?
冒頭の問題について「どっちも同じifがあるじゃん!」と思った生徒は、英文法が定着していない証拠です。手持ちの問題集や参考書の解説をしっかり読んでくださいね。ある問題集では、次のように解説されています。
1. if節「もし…すれば」―条件の副詞節。未来のことでも現在時制。
2. if節「…するかどうか」―名詞節。未来のことは未来時制。
この解説を読んで、「ああ、なるほど!」と思った生徒は、本当に解説を理解できているかどうか疑ってください。もしこの解説で納得できるのなら、英文法をきちんと理解できているということですよ。そんな生徒が冒頭の問題で間違うわけがありません。
解説を読む限り、if節で現在時制を使うのか未来時制を使うのかは、「和訳して考えましょう」と言っているようです。しかし、和訳に頼っている限り、本当の意味でif節の時制を使い分けられません。和訳からの脱却が必要です。
自動詞の後ろのif節は副詞節
if節の時制を考える場合、if節の中(従属節)ではなくif節の外(主節)の文法構造をチェックする必要があります。冒頭の1と2については、ifの前、特に動詞に着目してくださいね。
1は、ifの前が”feel a lot better”です。動詞feelは、後ろに”a lot better”という形容詞句を伴っています。ということは、この文におけるfeelは「感じる」という意味の自動詞です。
自動詞は、直後に目的語(名詞)をとらない動詞のことです。たとえば、「泳ぐ」を意味するswimは”He swims in the river every day.”という文を作りますが、swimの後ろには前置詞inが続き、名詞が直接来るわけではありません。直後に名詞以外が来るswimは自動詞です。
feelもswimと同じ自動詞なので、その後ろにあるif節は名詞節になりません。したがって、1におけるif節は副詞節だと判断できるんですね。
副詞節は、主節の動詞、もしくは主節全体を修飾する働きをする節(主語・述語の構造があるかたまり)です。ifが副詞節で使われる場合、訳は「もし…すれば」となり、その中の動詞は未来のことでも現在時制になります。
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