中学受験生の皆さんは、時速を分速に変換するときに60で割る理由をきちんと説明できますか?
何となく60で割っている受験生のために、速さの単位換算をていねいに解説します。
時速を分速に変換しよう
1時間を分に変換すると、1×60で60分です。2時間なら2×60で120分、5時間なら5×60で300分です。時間を分に変換するときは60をかけます。
【問題1】は時速を分速に変換する問題です。それならば、60をかけるべきではないのでしょうか?
このような疑問に答えられない受験生は、時速と分速の意味を思い出しましょう。
- 時速…1時間に進む道のり
- 分速…1分間に進む道のり
時速の意味から考えれば、時速288kmは「1時間で288km進む」だとわかります。1時間は60分なので、「1時間で288km進む」は「60分間で288km進む」と言いかえられます。
一方、「分速何kmですか」も「1分間に何km進みますか」と言いかえられます。
したがって、【問題1】は「60分間(=1時間)で288km進むなら、1分間で何km進みますか」と言いかえられます。60分間から1分間に時間が短くなれば、進む道のりも短くなります。そのため、比例の考え方から、288÷60=4.8より分速4.8kmが答です。
kmをmに変換しよう
【問題1】を少しひねってみます。
【問題1】から時速288kmは分速4.8kmです。この分速4.8kmのkmをmに変換します。
【問題2】を言いかえると「1分間で4.8km進むなら、1分間で何m進みますか」となります。1分間という時間に変化はないので、単純にkmをmに変換するだけです。60で割ったり60をかけたりする必要はありません。
1kmは1000mなので、4.8×1000=4800より分速4800mが答です。
kmとmの変換に自信がない受験生は、以下の記事を参考にしてください。
時速を秒速に変換しよう
最後に、もう1問考えてみましょう。
【問題2】から、時速288kmは分速4800mです。この分速4800mの分速を秒速に変換します。
1分間は60秒間なので、【問題3】を言いかえると「60秒間(=1分間)で4800m進むなら、1秒間で何m進みますか」となります。比例の考え方から、4800÷60=80より秒速80mが答です。
【問題1】や【問題2】を利用しないなら、まず288kmを288000mに書きかえましょう。次に、1時間は3600秒なので、【問題3】を「3600秒間(=1時間)で288000m進むなら、1秒間で何m進みますか」と言いかえます。そうすれば、288000÷3600=80より秒速80mを求められます。
速さの単位換算では、「時速を分速に変換するときは60で割る」などを丸暗記するのではなく、速さの意味から考えられるようにしましょう。
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