センター試験当日の飲食物は?受験生を襲う腹痛・尿意・睡魔の撃退法

みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記 入試対策

センター試験は、2日間かけて実施される長丁場の試験です。各科目の試験の間に約1時間の休憩時間があります。受験生は、その休憩時間を使って、昼食を摂ったり飲み物を飲んだりします。

本記事では、センター試験における食事や水分補給の注意事項をお伝えします。ただし、「脳科学的に何々を食べるといい」といった怪しい情報はありません。あくまでも、一般的な注意事項です。

腹痛や尿意は受験生の天敵

トイレ通いの多い生徒たちがいます。彼らは、2時間の指導で2回から3回もトイレに行きます。頻尿や過敏性腸症候群などの病気なのかもしれません。

しかし、腹痛や尿意の原因のほとんどは食べ過ぎや飲み過ぎにあります。たとえば、ペットボトル飲料を大量に飲んだら、膀胱がパンパンになって、トイレが近くなるのは当たり前。普段からドリンクをガブ飲みする受験生は、センター試験当日、飲みたい欲求をこらえてください。

腹痛や尿意の原因は?

食べ過ぎや飲み過ぎでなくとも、腹痛や尿意の原因となりやすい飲食物があります。油っぽい食べ物とカフェインの入った飲み物です。それぞれの問題点を見てみましょう。

油っぽい食べ物

油っぽいラーメンを食べるとお腹が痛くなりませんか?

僕は、ラーメン屋でラーメンを食べると下痢をします。同じような症状は多くの人たちに見られるようです。

油すなわち脂肪は体内で分解されにくく、口から入ってそのまま大腸へ直行します。すると、大腸は、腸内の刺激物を早く排泄しようとして便意を催させます。また、酸化した油は特に危険です。使い回しの油で調理した食品や調理後しばらく経った食品は下痢を引き起こしやすいのです。

こうした事情から、油っぽい食べ物を試験当日に食べるのはNGです。「『受験で勝つ』からトンカツ!」などといって、トンカツやカツ丼を昼食にしてはいけません。また、酸化した油が怖いので、ポテトチップスなどのスナック菓子やファーストフードも我慢!

カフェインの入った飲み物

「眠気覚ましにコーヒーを飲む」という受験生は多いでしょう。普段の勉強ならそれでも構いません。しかし、センター試験当日はコーヒーを絶対飲まないように!

コーヒーに含まれるカフェインは、睡眠を誘発するアデノシンの働きを妨げます。そのため、カフェインを摂取すると、頭がスッキリして集中力が増します。カフェインの覚醒作用ですね。

一方、アデノシンは排便や排尿を抑制します。この抑制作用がカフェインに妨害されると、便意や尿意を催します。利便作用や利尿作用といわれるカフェインの効果です。

カフェインの利便作用や利尿作用は厄介です。試験時間中にお腹が痛くなったり、休憩時間に何度もトイレに行きたくなったり……。そうならないためにも、最初からコーヒーを飲まないことです。毎朝朝食でコーヒーを飲む受験生は、センター試験の日だけは控えるのが得策です。

カフェインを含有する飲み物はコーヒーだけではありません。紅茶やコーラ、栄養ドリンクなどもカフェインが多めです。センター試験の日は、これらの飲み物を飲まないことをお勧めします。

満腹が睡魔を誘う

受験生は案外意識していませんが、センター試験の隠れた刺客は睡魔です。特に、文系科目が実施される1日目。午後の国語と英語は鬼門です。

「試験の最中に寝る奴なんていないだろ?」と思う受験生は多いでしょう。しかし、僕は実際に遭遇しました!センター試験の最中に居眠りしてイビキをかいている受験生に!! (もちろん僕ではありませんよ(笑))

そもそも睡魔はどこからやってくるのでしょうか?

教室内の淀んだ生暖かい空気。問題用紙にびっしり印刷された文章。これだけでも眠くなりますね。しかし、眠くなる原因は他にもあります。

センター試験当日は目いっぱい頭を使います。脳をフル稼働させるとブドウ糖を大量に消費するので空腹になる、という説もあります。

それはさておき、センター試験当日は拘束時間が長いので、受験生はお腹が空きます。いくら空腹だからと言って、満腹になるまで食べると眠くなりますよ。

満腹時に分泌されるホルモン

現在の有力説では、満腹時の睡魔はホルモンが原因とされます。原因と考えられるホルモンはオレキシンとインスリン。

オレキシンは食欲を刺激すると同時に、眠気を抑えて覚醒を促す働きをします。不眠治療の研究でも注目されているくらい重要なホルモンです。満腹時には、オレキシンの分泌が抑制されて、睡魔が訪れます。

また、食事で上がった血糖値を下げるため、膵臓からインスリンが分泌されます。食べ過ぎるとインスリンが過剰分泌され、身体は低血糖状態になります。この低血糖も、眠くなる原因です。

満腹と眠気との関係は、気持ちの問題ではなく、科学的な根拠があるんですね。

空腹で集中力と記憶力がアップ

満腹は睡魔を誘う一方で、適度な空腹は集中力と記憶力を高めます。

朝食前に1時間、昼休み前の1時間、夕食前の1時間など、「お腹空いたなぁ」という時間帯は妙に勉強が捗りませんか?もっとも、極端にお腹が空くと、勉強どころではなくなるでしょうが(笑)。

空腹と集中力とを結びつけるのもグレリンというホルモンです。グレリンは食欲を増進させると同時に、脳の記憶や学習を司る海馬をも刺激するといわれます。空腹時の集中力アップや記憶力アップは、どうやらグレリンと関係ありそうですね。

センター試験当日の昼食でお勧めは?

センター試験当日の昼食では満腹を避け、「ちょっと足りないなぁ」と感じる腹八分目がグッドです。美味しいものを食べる必要はありません。お腹がある程度膨れれば十分。

では、具体的に、当日の昼食は何がいいのでしょうか?

僕の経験に即して答えますと、おにぎりやサンドイッチがお勧めです。普通のおにぎりやサンドイッチには刺激物が入りませんし、勉強しながらでも食べられるメリットがあります。

コンビニなどで既製品を買うか、保護者に作ってもらいます。保護者に作ってもらう場合、1つ1つを小さめにしてもらいましょう。

小ぶりなおにぎりやサンドイッチを3つ。そのうち2つを昼食とします。「どうしても足りない」という場合は3つめも食べます。また、昼食として2つ食べて、空腹が襲ってくる夕方に最後の1つを食べるのも有りです。個数は人それぞれでしょうが、3つくらいにしておかないと食べ過ぎますよ。

おにぎりやサンドイッチの具は梅干しや過熱したものにします。センター試験会場は、暖房と受験生の熱気とで蒸し暑いです。生ものを持ち込むと傷む可能性があります。明太子や生ハムといった具は食中毒の原因になりかねません。

飲み物は、カフェインの入っていないミネラルウォーターが一番です。

他の受験生の迷惑を考える

ここまでは、受験生本人の体調について注意事項を述べてきました。それ以外の観点からも、飲食物に関する注意があります。

中学受験や高校受験だと、受験生は会場にお菓子を持ち込みませんよね。しかし、センター試験などの大学受験だと、控室でお菓子を無心に頬張っている受験生の姿をたまに見かけます。これはやめましょうね。

スナック菓子などの臭いが周囲に漂うと、ギリギリまで一生懸命勉強している他の受験生に迷惑がかかります。

嗅覚の鋭い人にとって、嫌いな食べ物の臭いが隣の席から漂ってくるのは苦痛です。特に、市販されているお菓子類は臭いがきつめ。甘ったるいチョコレートやバニラエッセンスの臭いだけでなく、爽やかなフルーツの香りでも、嫌がる人は嫌がります。そういう人たちに配慮するマナーも大切です。

「俺は粘り強く頑張るんだ!」といって納豆あめを舐めるのは絶対にダメですよ!!(笑)

センター試験当日の飲食物が合否を分ける?

「センター試験当日の飲食物が合否を分ける」というのは大げさでしょうか?

僕は、大げさではない、と思います。センター試験当日の飲食物に配慮できない受験生は、普段の食生活もだらしない傾向にあります。

  • 自習はお菓子をつまみ食いしながら。
  • 何度もトイレに行くので勉強に集中できない。
  • お腹が空くと勉強を中断してコンビニへGO!
  • 「昼食後と夕食後は眠くなるから」といってダラダラ……

こういう受験生が、センター試験当日、腹痛や睡魔に襲われるのです。本番での失敗は日ごろの積み重ねの結果!!

心当たりのある受験生は、この際ですから、普段の食生活を見直してみるといいでしょう。センター試験本番までの残された期間が充実するはずです。

トップ画像=Cafi Net

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