分母が3つの整数のかけ算のときを考えよう
\(\frac{1}{2×3×4}\)はどのように部分分数分解できますか?
引き算の式\(\frac{1}{2×3}\)-\(\frac{1}{3×4}\)=\(\frac{4}{2×3×4}\)-\(\frac{2}{2×3×4}\)=\(\frac{2}{2×3×4}\)です。
\(\frac{2}{2×3×4}\)に\(\frac{1}{2}\)をかけると分子の2が1になるので、\(\frac{1}{2×3×4}\)=\(\frac{1}{2}\)×\(\left(\frac{1}{2×3}-\frac{1}{3×4}\right)\)です。
2×3×4の真ん中の整数3を引き算の式の両方に残すのがポイントだとわかります。
上の式も覚える必要はありません。その場で考えればわかることです。
【例題3】次の計算をしなさい。
\(\frac{1}{1×3×5}\)+ \(\frac{1}{3×5×7}\)+\(\frac{1}{5×7×9}\)
\(\frac{1}{1×3}-\frac{1}{3×5}\)=\(\frac{5}{1×3×5}-\frac{1}{1×3×5}\)=\(\frac{4}{1×3×5}\)で分子が4になるので、\(\frac{1}{1×3×5}\)の部分分数分解では、引き算の式\(\frac{1}{1×3}-\frac{1}{3×5}\)に\(\frac{1}{4}\)をかければいいことがわかります。
部分分数分解を理解して使いこなそう
部分分数分解は「キセル算」とも呼ばれます。
キセル(煙管)とは、刻みたばこを吸うのに使う道具です。下の図のように、金属製の吸い口と雁首(がんくび)が竹製の羅宇(らう)でつながっています。
乗車駅と降車駅の切符を使って中間を無賃乗車することを「キセル乗車」といいます。キセル乗車は、乗車駅と降車駅でだけ「金(運賃)」を払う不正行為を、吸い口と雁首にだけ「金属」が使われているキセルの構造とかけてできた言葉です。
部分分数分解では、中間にある分数を消してしまいます。これがキセル乗車と似ているので「キセル算」なのでしょう。
もちろん、キセル算は無賃乗車と違って不正行為ではありません。むしろ、中学受験生なら知っておくべき計算の工夫です。仕組みを理解して使いこなせるようにしましょう。
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