「定期テストでは、国語だけ点数が悪いんです」と悩む中学生は少なくありません。その悩みを解決するための具体的な定期テスト対策の方法をお伝えします。
「国語を勉強しても意味がない」という誤解
定期テストで国語の点数が悪い中学生は「国語なんて勉強しても意味ありません。だから、ノー勉でテストに臨みます」と言います。
確かに、入試や模試の国語では、漢字や文法以外は対策が難しいのも事実です。しかし、学校の定期テストは入試や模試とは違います。
そもそも入試などで求められる国語の力と、定期テストで求められる国語の力は別物です。
それにもかかわらず、多くの中学生は、入試などの国語も定期テストの国語も同じものと考え、国語の定期テスト対策をサボります。それでは国語だけ点数が悪くなるのも当然です。
国語も他の科目と同じように勉強することで、定期テストで点数を取れるようになります。
定期テストの国語で点数を取るための勉強法3選
学校の国語は入試などの国語と違って暗記科目です。このことをふまえて具体的な勉強法を紹介します。
1. テスト範囲の文章を読み込む
入試や模試の国語で出題される長文読解問題では初見の文章を読みます。
一方、国語の定期テストで問題となる文章は、学校の授業で習った教科書の文章がほとんどです。したがって、テスト範囲の文章を事前に読み込んでおくだけでも、試験の結果が大きく変わります。
定期テストでは、出題される文章の内容や構造が既に頭に入っている状態が理想的です。試験当日は、文章を丁寧に読まずに、問題を解くことに時間を割きましょう。というよりも、多くの定期テストは、そうせざるを得ないボリュームになっているはずです。試験当日に文章を読んでいたら時間切れになりますよ。
事前にテスト範囲の文章を読み込む場合、音読をおすすめします。音読してみて、読めない漢字やつっかかる部分があれば、その部分を調べて暗記しましょう。スラスラ読めるようになるまで、とにかく何十回と音読すると効果的です。
2. 知識を暗記する
定期テストの国語は、学校で習ったことの確認が出題の中心になります。したがって、理科や社会と同じく暗記で乗り切れます。以下のものは時間をかけて、完璧になるまで暗記しましょう。
- 漢字・語句の読み書き・知識
- 詩(短歌・俳句などを含む)の作者名・表現技法
- 古典
- 文法
- 文学史
3. 文章読解問題の解答も暗記する
定期テストで出題される文章読解問題は、読んだことのある文章をもとにして作られます。そのため、以下のものを分析すれば、どういう問題が出題されるかもある程度予測できます。
- 授業の板書(ノートに書いたこと)
- 配布プリント
- 学校で使用しているワーク
- 市販のワークや参考書
- 先輩や兄弟が持っているテストの過去問
これらに書かれていることは出題される可能性が高いので丸暗記しましょう。試験当日その場で0から解答を考える、というのはナンセンスです。
学校の授業で板書や配布物が少ない場合は、市販の教科書ガイドが役に立ちます。
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ノートやプリントから自分で問題を作る方法
ワークがあれば、その解答を暗記できます。しかし、ワークがない場合、ノートやプリントから自分で問題を作りましょう。
穴埋め問題を作る
最近は、PC用プリンターにもコピー機能が付いています。これを利用してノートやプリントをコピーします。
コピーした複製物を見て、問題になりそうな言葉を修正液で消して、(1)(2)などと番号を振れば、オリジナルの穴埋め問題ができ上がります。
たとえば、下の内容のプリントが配られたとします。これを穴埋め問題にしてみます。
「春は曙。やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」
この文章は、平安中期、清少納言によって執筆された『枕草子』からの引用である。ジャンルは随筆で、「をかし」(明るさ・はなやかさをもった趣)の文学といわれる。また、日本三大随筆と呼ばれる作品には、『枕草子』の他、時代順に『方丈記』と『徒然草』がある。『方丈記』の作者は鴨長明で、『徒然草』の作者は吉田兼好である。
このプリントで問題になりそうなのは、書物名と作者名、ジャンルです。これらを修正液で消して番号を振れば、下のオリジナル問題が完成です。
「春は曙。やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」
この文章は、平安中期、(1)によって執筆された『(2)』からの引用である。ジャンルは(3)で、「(4)」(明るさ・はなやかさをもった趣)の文学といわれる。また、日本三大(3)と呼ばれる作品には、『(2)』の他、時代順に『(5)』と『(6)』がある。『(5)』の作者は(7)で、『(6)』の作者は(8)である。
一問一答問題を作る
漢字や文法、表現技法などの知識は一問一答問題にしてノートにまとめます。
ノートのページを線で2分割して、左に問題、右に解答という形式で問題を作っていきます。こうすれば、右側を隠して後で何度も解き直すことができます。
この作業はノートまとめではないので、色ペンを使って綺麗に書いたり、図にして見やすくしたりする必要はありません。
一問一答問題の例は以下を参考にしてください。
【ノートの左(問題)】
(1) たとえを用いて印象を強める方法。
(2) 言葉の順序を入れかえることにより、強調効果をもたらす方法。
(3) 同じ言葉を繰り返し用いることによって、強調効果をもたらす方法。
(4) 語調の似た表現を並べることによって、文章の調子を整える方法。
(5) 文末を名詞で終わらせて、余韻を残す方法。
【ノートの右(解答)】
(1) 比喩
(2) 倒置法
(3) 反復法
(4) 対句
(5) 体言止め
定期テスト前は国語もしっかり勉強しよう
中学生の定期テストは、時期によって詩や古典がメインになることがあります。そういう出題範囲に「嫌だ」と拒否反応を示す生徒が多いようです。
しかし、詩や古典こそ暗記で乗り切れる分野です。ここで暗記を頑張れば高得点を狙えます。しかも、周りの生徒たちがまともに勉強しない分野なので、良い点数を取れば、順位が大幅にアップします。
詩や古典に限らず、これまで国語はノー勉だった中高生は、次回の定期テストからはしっかり国語も勉強しましょう。
学校の国語は、定期テスト前に勉強すればするほど点数や順位がアップするお得な科目です。
トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ / モデル=河村友歌
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