入試の長文化傾向と情報処理能力~「精読」や「読解力」は時代遅れ?

みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記 教育論
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読解力よりも情報処理能力

長文化傾向が顕著な昨今の入試では、ちんたらちんたら本文を読む一般的な「精読」や、その「精読」によって培われる「読解力」では対応できません。ここで必要となるのは、

膨大な情報から必要な情報を見つけ出し、速く正確に問題を解決する情報処理能力です。

平成29年7月13日、独立行政法人大学入試センターから、「大学入学共通テスト(仮称)」記述式問題のモデル問題例が公表されました。このモデル問題例の国語が、情報処理能力を試す問題になっていました。この問題では、与えられた資料を隅々まで理解するのではなく、設問に答えるのに必要な情報を的確に見つけることが求められます。大学入試改革を背景に、中学入試や高校入試でも、国語の読解問題は変化していくでしょう。

さて、入試が長文化している時代背景を考えます。たとえば、パソコンの説明書はとても分厚いです。この説明書を使ってパソコンのセットアップをしようとするとき、説明書を最初から最後まで読んで、書いてあることを完璧に理解しようとする人はいません。普通は、目次や索引を使って「セットアップ」のページを探し、必要な情報だけを拾い読みするはずです。

もちろん、パソコンの説明書をデジカメの説明書だと思っていたら、「説明書を読んでも理解できない」となるでしょう。しかし、ここまでひどい誤解をしない限り、説明書の必要な箇所を拾い読みすれば、パソコンをセットアップできます。

ネットを使った情報収集もパソコンの説明書と同様です。「日本の経済」について知りたいからといって、ネット上にある「日本の経済」関連のページを全て読み込んで理解する必要はありませんし、そもそも無理です。だから、検索ワードを工夫して、ヒットするページを絞り込みます。

パソコンの説明書やネットでの情報収集などからも明らかな通り、現代社会で求められるのは情報処理能力であり、従来の国語教育で重視されてきた読解力ではありません。こうした時代背景が入試の長文化に反映されていると考えられます。

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不必要な情報を無視するスキル

情報処理能力は、必要な情報を見つけるスキルだけで構成されているわけではありません。ある意味、このスキル以上に大切なのは、不必要な情報を無視するスキルです。

勉強でつまずいている生徒は、多くの場合、不必要な情報に振り回されています。数学の図形問題で面積計算に必要のない辺に惑わされたり、英語の文法問題で文法事項とは無関係な単語の意味に拘ったり……。

不必要な情報を的確に無視できないために混乱するのは、学生だけでなく大人も同じです。そして、昨今の情報化社会では、このような「使えない」大人は苦労することになります。そうであれば、入試の長文化の流れに反発するのではなく、そこで求められる情報処理能力を鍛えることが、これからの時代を生き抜く上で大切なのだと思います。

トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ / モデル=河村友歌

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