国語の問題集の選び方は?解説が詳しいだけではおすすめできない理由

国語問題集の選び方にはコツがある!解説が詳しいだけではダメな理由 勉強法

国語の問題集を選ぶときは、購入する前に解説をパラパラめくってみましょう。

解説がほとんどない問題集は論外です。一方、解説が詳しいからといって、その問題集が優れているとも限りません。

本記事では、国語の勉強で役に立つ問題集の選び方を紹介します。

解答を導くために本文のどこを見たのか?

以前僕が購入した国語問題集は、解説がどうしようもないくらいダメでした。解説が難解だったり、手抜きだったりしたわけではありません。むしろ、解説集は問題集と同じくらいの厚さがあり、かなり丁寧に書かれていました。

しかし、この解説には、別の問題に応用できるノウハウが書かれていませんでした。そもそも同じ問題を解き直す場合でさえも、解説通りの思考ができるとは思えませんでした。具体的にいうと、「解答を導くために本文のどこを見たのか?」が分からない解説でした。

国語は、漢字や文学史などの問題でない限り、あくまでも本文に即して解答する科目です。必ず本文のどこかに解答の根拠があります。その根拠をしっかり示さずに、「●●は▲▲で、■■になるから、答はウ」ではまともな解説といえません。

この問題集に限らず、本文中の根拠をしっかり指摘できている国語の問題集は少ない印象です。特に、中学受験や高校受験の問題集には、このような欠陥品がたくさんあります。

何が詳しく解説されているか?

「問題集は解説の詳しいものを買いなさい」とはよく言われることですし、正しい意見です。

しかし、国語の問題集に関しては、「解説が詳しい=良い問題集」とは必ずしもいえません。受験生が自学自習用に国語の問題集を買う場合は特に注意が必要です。

まずは、解説が詳しい問題集で「何が詳しく解説されているか?」をしっかりチェックしましょう

ひどい問題集だと、問題の解き方は僅か数行しか解説されておらず、語句の説明や筆者の略歴で字数が埋まっていることがあります。また、本文中の根拠を示さずに、答に至る過程を長々と説明している問題集もあります。

解説の中にかぎかっこがどれだけあるか?

国語の問題集が良い問題集かどうかを簡単に見分ける方法があります。「解説の中にかぎかっこがどれだけあるか?」をチェックする方法です。

一般的に、本文中の根拠を示す場合は引用の形になります。そして、引用する場合、その部分にはかぎかっこ(「」)が付きます。したがって、かぎかっこが多い解説は、本文中の根拠を引用しながら、本文に即して検討しています。

逆に、かぎかっこのない解説は本文中から引用していないので、本文中に根拠を求めることなく答を導いている可能性があります。もしかしたら、答を導く根拠は、解説執筆者の妄想かもしれません。

たとえば、太宰治「走れメロス」を本文とする読解問題で、「『わずかながら希望が生れた』とあるが、この『希望』の内容を具体的に説明しなさい。」という設問の解説を考えてみましょう。

傍線部の「希望」は、直後で「義務遂行の希望」「わが身を殺して、名誉を守る希望」と言いかえられている。「義務」とは、「少しも疑わず、静かに期待してくれている人」の「信頼に報いなければなら」ないということである。また、「名誉」は、「正義の士として死ぬ事が出来る」ことである。したがって、これらの内容を字数内にまとめる。
メロスは、自分が来るのを待っているセリヌンティウスの信頼に報いたいと思って走っている。また、自分の命が失われることになっても、正義が実現されることを望んでいる。したがって、これらの内容を字数内にまとめる。

上は良い解説で、下はダメな解説です。上の解説にはかぎかっこがたくさんあります。このような解説がついている問題集を買うことをおすすめします。

国語の勉強は、どの問題集を選ぶかがとても大切です。解説がいい加減な問題集を使って勉強しても、試験で点数を取れるようにはなりません。

トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ / モデル=河村友歌

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