多くの生徒たちは、与えられた日本語をもとに英文を作成する和文英訳や語句の並べ替え問題を苦手とします。そんな生徒たちに向けて、英作文のコツをお伝えします。
英作文のコツはカタマリを作ること
次の【問1】を英語に直してみましょう。
【問1】私は姉を見送りに空港へ行きました。
まず、与えられた日本語の文について、「どこが主語でどこが述語か?」を考えましょう。
英会話なら、知っている言葉をデタラメに並べても話が通じるかもしれません。しかし、英作文で求められているのは、話が通じるかどうかではなく、文法・語法的に正しい英文を書くことです。
というわけで、【問1】で主語の「私は」と述語の「行きました」を見つけます。これをふまえて次の順番で英文を作成していきます。
- 主語・述語のカタマリを作る。
- 文法・熟語のカタマリを作る。
- カタマリを並べる。
1. 主語・述語のカタマリを作る。
日本語の文で主語と述語を見つけたら、英語で主語・述語(SV)のカタマリを作ってしまいます。具体的には「私は行きました」を英訳してしまいます。
日本語と英語とでは語順が異なります。それにもかかわらず、英作文を苦手とする生徒たちは、日本語の文を先頭から英語にしようとします。彼らは、「『私は』は “I” で、『姉』は “my sister” で……あれぇ?」という感じで、訳が分からなくなって混乱します。こうした混乱を防ぐために英語の語順で考えましょう。
2. 文法・熟語のカタマリを作る。
日本語の文を眺めながら、英語の文法規則や熟語表現がないかを考えます。今回は次の表現が思い浮かんでほしいところです。
- 「~へ行く」→ go to ~
- 「Aを見送る」→ see A off
- 「~するために」→ to +動詞の原形
これらのカタマリを具体的に作っていきます。
- 「空港へ行きました」→ went to 空港
- 「姉を見送る」→ see 姉 off
- 「見送りに」→ to see …
- 公共の場所の前には the → the airport
- 「姉」は「私の姉」 → my sister
下の2つも文法的に重要です。「名詞にはどんな冠詞(所有格)を付けるのか?」と意識しながらカタマリを作っていきます。
3. カタマリを並べる。
1、2の手順で作ったカタマリを並べます。このとき、作ったカタマリの語順を変えてはいけません。
たとえば、”see my sister off” を “see off my sister” にするなど、「何となく」で語句を入れ替えないようにしましょう。
この点に気を付ければ、あっという間に【問1】を並べ替えられます。副詞的用法のto不定詞を文の最後に置きました。
【問1の解答例】I went to the airport to see my sister off.
このように、「カタマリを作る」を意識すると英作文を簡単に作れます。
英作文の練習問題にチャレンジ
次の【問2】もカタマリを作りながら英語に直していきましょう。
【問2】私は母が作る朝食を食べるため、早く起きなければなりません。
まずは、主語・述語(SV)のカタマリを作ります。
【問2】の主語は「私は」で、述語は「起きなければなりません」です。「~しなければならない」を”have to do”で表すならば、”I have to get up”となります。
次に、文法・熟語のカタマリを作ります。
- 「母が作る」は「私の母が作る」→ my mother makes
- 「朝食を食べるため」→ to eat breakfast
- 「早く起きる」→ get up early
最後に、カタマリを並べます。
「母が作る」は朝食を修飾しているため、”my mother makes”はbreakfastの直後に置きます。また、副詞的用法のto不定詞は文の最後に置きます。
【問2】の解答例は次の通りです。
【問2の解答例】I have to get up early to eat breakfast my mother makes.
文のカタマリを作れるように
さらに上のレベルを目指すならば、熟語のカタマリよりも文のカタマリを作れるようにしましょう。
たとえば、【問1】の2の手順では、「~へ行く」と「~するために」を分けて考えました。しかし、「~するために…へ行く」という文が “S go to … to ~” だと分かっていれば、いちいち「~へ行く」と「~するために」を分ける必要がありません。”S go to … to ~” のカタマリを作れれば語順ミスを防げます。
文レベルのカタマリを作れるようになるためには、英文の丸暗記が有効です。ふだんの英語の勉強では、単語や熟語をバラバラに覚えるのではなく、教科書などに載っている英文をそのまま覚えましょう。
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