小学校生活も残すところあとわずかの小学6年生は、早めに中学進学の準備を始めましょう。とはいえ、何をどう準備すべきか分からない生徒や保護者がほとんどだと思います。本記事では、小学校卒業から春休みにかけて、小学6年生が取り組むべきことについて提案します。
国語
国語は積み重ねが大切な科目です。特に、語彙力の育成には膨大な時間がかかります。時間のある小学生は、日々の読書に加えて、漢字の練習・暗記にも毎日取り組みたいところです。
漢字検定を目標に漢字を暗記
学校の国語の授業では、学年ごとに漢字が配当されています。しかし、漢字に学年は関係ありません!!
小学生が高校配当の漢字を覚えてもいいわけです。頭の軟らかいうちに、漢字を詰め込めるだけ詰め込みましょう。
毎年6月には漢字検定が実施されます。春から中学生になる生徒たちは、6月の漢字検定で5~3級に合格することを目標に漢字を練習・暗記しましょう。
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【発展】国文法の予習と文章作成の練習
余裕のある生徒は、国文法の予習もしましょう。文節や単語などの考え方に軽く触れておくと、国語の文法に限らず、英文法にもすんなりなじめます。「主語って何?」という中学生が多い中、文法用語をきちんと理解できているだけでかなり有利です。
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また、読書感想文や人権作文など、夏休みの課題として必ず書かされることになる作文を書き上げておきましょう。そうすると、夏休みに忙しくても、手許にある作文を提出するだけなので楽です。
ただし、国文法の予習や作文の事前作成については、生徒一人で取り組むのは困難です。信頼できる塾や家庭教師を利用するといいでしょう。
算数(数学)
春から中学生になる小学6年生は、算数の復習と数学の予習に取り組みましょう。
算数の復習
算数の復習で大切なのは、中学校できちんと説明されない既習事項をきちんと理解することです。具体的には、以下の分野を完璧にしましょう。
- 整数の性質(偶数や奇数、倍数、約数など)
- 割合(消費税の計算なども含む)
- 平均
- 単位量あたりの大きさ
- 比
- 速さ
- 単位換算
- 面積・体積の公式
四則計算や分数・小数など、計算スキルに関する分野は、中学内容の予習を通して復習できます。算数の復習としてわざわざ取り組む必要はありません。
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中学受験で必須の特殊算は不要です。「鶴亀算」も「和差算」も「旅人算」も、中学で学習する方程式や関数で片付きます。受験算数の解法を必死で暗記するのは百害あって一利なし!特殊算が気になる生徒は、方程式を学んだ後に改めて取り組んでみてください。
数学の予習
生徒の能力にもよりますが、正負の数と文字式は中学入学前までに先取りしたいところです。
正負の数には、小学校で学ぶ四則計算や分数・小数の計算が混ざってきます。こうした計算に取り組むことで、算数の復習と中学の予習の両方をこなせます。一石二鳥ですね。
また、文字式の最初では、文章を文字式で表す練習をします。ここでは、おつり計算や平均、図形の面積や周の長さなど、小学校で学んだあらゆる分野が登場します。文字式で表せない問題があったら、該当する算数の分野に戻りましょう。
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英語
小学校でも英語の授業がありますが、単なるお遊びになっているようです。そのため、小学6年生の皆さんは、英語を0から予習する気持ちで頑張りましょう。
アルファベットと単語の暗記
まずはアルファベットを書けるようにします。
大文字と小文字や似たような形の文字を区別して覚えます。”K” と “k” や “W” と “w” などは要注意です。また、”b” と “d” や “p” と “q” などをしっかり書き分けられれば合格です。
アルファベットを書けるようになった生徒は、次に単語の暗記です。初めは無理せずに、”book” “dog” “apple” “chair” などから始めます。慣れてきたら、数字や曜日、月、天気など、関連のある単語をまとめて覚えます。
とはいえ、英単語はローマ字ではありません。暗記するのに苦労するはずです。どうしても覚えられないのなら、フォニックス(綴り字と発音との間にある規則性)を取り入れてみるのも手です。
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【発展】英文法の予習
余裕のある生徒は、“I am ~.” や ”This is ~.” などの簡単な文を通して、英文法を予習するといいでしょう。
中学校が始まる前までに、be動詞と一般動詞を区別できるようになっているのが理想的です。また、疑問文と否定文の作り方をマスターし、代名詞の表を暗記できていれば怖いものなし!!
とはいえ、英文法の予習は生徒一人ではまず無理でしょう。英文法を体系的に教えられる指導者とともに、文法用語(「主語」「述語」「動詞」「名詞」「人称」など)をきちんと押さえていくことが大切です。
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「子どもが英語好きになるように」といって、中学入学直前の子どもを英会話教室に入れる保護者がいます。しかし、ほとんどの場合、これは逆効果です。英会話と英文法は別物なので、子どもをいたずらに混乱させるだけです。英会話教室は、幼い子どもか、必要に迫られた大人が通うべき場所です。
勉強道具の変化に慣れる
勉強以外でも中学入学前にしておくべきことがあります。
小学生が学校で使う筆記用具は、黒も赤も青も鉛筆が主流です。シャープペンの使用は、ほとんどの小学校で禁止されています。また、ノートもマス目入りノートですよね。
しかし、中学生になると、筆記用具はシャープペンやボールペン、ノートは大学ノートを使うようになります。春から中学生になる小学6年生は、こうした勉強道具の変化に慣れる必要があります。
僕の指導では、小学6年生に対して、筆記用具はシャープペンやボールペン、ノートは大学ノートを使用するように指示します。これらの勉強道具の使い方を彼らに練習させておくためです。
「練習だなんて大げさな……」と思う大人は甘い!勉強道具の使い方と学力は密接に関係しているんですよ!
筆記用具
筆圧を上手く調整できない生徒は、何度も何度も芯を折ってしまって文字を書くどころではありません。こういう生徒には、その生徒が使いやすい太さ・硬さの芯と対応するシャープペンを与えます。
ちなみに、僕はペンの持ち方が変で筆圧が異様に強いので、シャープペンの芯は0.7でHのものを、シャープペンも芯に対応する製図用を使っています。
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修正テープや修正液
赤鉛筆や青鉛筆で書いた文字は、消しゴムでゴシゴシすればある程度消えます。一方、赤や青のボールペンで書いた文字は、修正テープや修正液を使わないと消せません。その消す作業に手間取る生徒が多いんですよね。
家庭教師や個別指導であれば、生徒のペースに合わせてあげられます。しかし、学校の授業では、生徒が書き間違いを消している間に授業が進んでしまいます。誤字の修正に気を取られているうちに大事なことを聞き逃した、というのはよくあることです。こうした事態を防ぐため、小学生のうちから修正テープなどに慣れさせます。
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そもそも、書き間違いの多い生徒については、その原因を特定して矯正する必要があります。書き間違いは、書き写すべき対象をしっかり見ていないことで起こります。記憶を頼りにノート作りする生徒には、「書かれてあることを見ながら正確に写しなさい」と日ごろから注意します。
大学ノート
中学校では、定期試験前後に回収される授業ノートも評価の対象になります。そこで、高評価を得るためのノート作成技術を小学6年生に習得してもらいます。
中学校では、ほとんどの教科で大学ノートを使用します。中学生は、文字の大きさ、文字と文字の間隔、図や途中計算の書き方、レイアウトなどをマス目に頼らずに調整しなければなりません。また、フリーハンドで線や円を描く機会も多いので、そうした作図にも慣れる必要があります。
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汚いノートは減点対象です。どういうノートが「きれい」と評価されるのかは以下の記事を参考にしてください。
入学準備を万全に
新中学生たちの中には、小学生気分が抜け切らず、中学デビュー早々大失敗をやらかす生徒がいます。そういう生徒は、クラスメイトや先生方から目を着けられ、暗黒の3年間を過ごさなければならなくなります。
一方、スタートダッシュが順調な生徒は、そのまま3年間を順調に過ごすことが多いようです。何事も最初が肝心!
4月から中学生になる小学6年生は、入学準備を万全にして新生活に備えましょう。
トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ
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