演習問題
一、次の文章を読んで、あとの問に答えなさい。
付喪神(つくもがみ)とは、古くなった物に霊などが宿って生まれた妖怪です。室町時代の『付喪神絵巻』には、年末の大掃除の日に捨てられた古道具が悪さをする様子が描かれています。この絵巻物の初めに、「付喪神」という言葉が出てきます。
(A)、「つくもがみ」とはどういう意味なのでしょうか。「つくもがみ」という言葉は、平安時代の『伊勢物語』に書かれた和歌に見られます。百年(ももとせ)に一年(ひととせ)たらぬつくも髪われを恋ふらし面影(おもかげ)に見ゆ
「百年に一年たらぬ」というのは「九十九」のことです。「つくも髪」は、九十九歳になったおばあさんの白髪を意味しています。この和歌から言葉を借りて、古道具の妖怪が「つくもがみ」と呼ばれるようになったそうです。(B)、付喪神は「九十九(つくも)神」とも書かれます。
日本には、全てのものに神が宿るという「アニミズム」の考え方がありました。昔の人々は、海や山、風、雷、(C)道具にも神の姿を見てきました。あらゆるものを神としてまつり大切にしたのです。問、文中の(A)~(C)に入る語としてふさわしいものを次の中から選び、それぞれ記号で答えなさい。(同じものを二回以上使用しないこと)
ア だから イ しかし ウ ところで エ さらには
二、次の文章を読んで、あとの問に答えなさい。
石油は、私たちの生活を支える大切な資源です。燃料として使われるだけでなく、プラスチックや化学繊維などの原料にもなります。しかし、地球上でとれる石油には限りがあるので、(A)使いつくされる日が来るだろう、といわれています。(B)石油がなくなったら、私たちの生活はどうなるのでしょうか。
ところで、石油を燃やすと、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素が発生します。これ以上地球が暖かくなると、南極の氷山などが溶けます。その結果、海水面が上昇して、陸地の一部が水中に沈んでしまいます。島国に住む私たち日本人にとって、地球温暖化は(C)無関係ではありません。問、文中の(A)~(C)に入る語としてふさわしいものを次の中から選び、それぞれ記号で答えなさい。(同じものを二回以上使用しないこと)
ア もし イ 決して ウ まるで エ きっと
一の解き方(接続語の穴埋め問題)
一では、空欄の前後の関係を確認しながら接続語を入れていきます。
(A)の前では付喪神の説明をしていて、後ろでは「つくもがみ」という言葉の意味に話題が変わっています。したがって、転換のウを入れます。
(B)の前後は、「九十九歳になったおばあさんの白髪」という意味を借りて「古道具の妖怪が『つくもがみ』と呼ばれるようになった」こと(理由)と、「付喪神は『九十九(つくも)神』とも書かれ」ること(帰結)です。したがって、順接のアを入れます。
(C)の前後で「海」「山」「風」「雷」「道具」が並んでいるだけなので、並列のエを入れます。
以上より、(A)はウ、(B)はア、(C)はエとなります。
二の解き方(副詞の呼応の穴埋め問題)
二で空欄に入れるべき語群は、どれも副詞の呼応を考える必要があります。
(A)には、後ろの「~だろう」から、エを入れます(きっと~だろう)。
(B)には、後ろの「~たら」から、アを入れます(もし~たら)。
(C)には、後ろの「~ありません」から、イを入れます(決して~ない)。
以上より、(A)はエ、(B)はア、(C)はイとなります。
ちなみに、ウの「まるで」は「まるで~ようだ」(比喩)です。
トップ画像=写真AC
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