多くの小中学生は、作文を書くとき、「書くことがありません!」と言って頭を抱えます。彼らは、四百字詰め原稿用紙1枚の半分である二百字くらいを書いてギブアップ。中には、二百字すら書けない生徒もちらほら……。
本記事では、作文を書けない小中学生に、字数不足を解決するコツをお伝えします。
「思ったことを書きなさい」で作文を書けなくなる
多くの小中学生が作文を書けないのは、書く力がないからではなく、学校の作文教育がダメダメだからです。
学校の作文教育では多くの場合、先生に次のように言われます。
これらの言葉が作文を書けなくなる原因です。こんなことを言われた生徒たちは、「友達とけんかして悲しかった」という内容で作文を書くとき、「悲しかった」の部分だけを一生懸命考えます。
これでは「書くことがありません!」となってしまいます。
適性検査や高校入試の作文問題でも「あなたの考えを書きなさい」という設問になっているので、受験生は「考え」に気を取られます。
自分の感情を適切な言葉で、しかも、それなりの字数で書くのは、大人でもかなり難しいことです。それを小中学生にやらせようということ自体がバカげています。
作文でメインに書くべきことは、「思ったこと」や「考えたこと」ではありません。では、何を書けばいいのでしょうか?
気持ちや考えではなく事実を具体的に書く
「書くことがありません!」と悩んでいるなら、「思ったことや考えたことはどうでもいいから、事実を具体的に書く」を意識してみましょう。
たとえば、「友達とけんかして悲しかった」という内容の作文を書くとします。このとき、「悲しかった」という気持ちは置いておいて、まずは「友達とけんかした」という事実の方を詳しく書きます。どういうところを詳しく書けばよいかは以下の通りです。
これらのことを1つ1つ書いていきます。あくまで事実を淡々と書くだけなので、「そのとき何を思ったか?どんなことを考えたか?」は書かなくても構いません。(もちろん、書けるなら書いてもOKです)
保護者が子どもの作文をサポートするなら、「けんかしたとき、友達はどんなことを言ったの?」などと誘導しながら、子どもに事実を書かせていきましょう。
そうすると、事実だけで四百字くらいだと字数が埋まってしまいます。むしろ字数オーバーになってしまい、「どれを書けばいいの?」と子どもが悩んでしまうことも……。
ここまでできたら、次にやるべきことは、必要な情報と不要な情報と選別する作業です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
「事実9割、感想1割」で原稿用紙が埋まる
作文で大切なのは、「思ったこと」や「考えたこと」ではなく事実です。事実をきちんと書けるようになれば、小中学生の「書くことがありません!」は解消されます。
感想や意見を書くにしても、それらを支える根拠を書かなければなりません。その根拠となるのが事実です。適性検査や高校入試の作文問題では、事実が具体的に書かれていなければ、「具体例がない」という理由で大減点になるくらいです。
それにもかかわらず、学校では「思ったことを書きなさい」「考えたことを書きなさい」としか言われないため、多くの小中学生は勘違いしてしまいます。
「書くことがありません!」と悩む小中学生は、「事実9割、感想1割」くらいの比率で書くことを意識しましょう。そうすれば、原稿用紙四百枚はあっという間に埋まります。
コメント