私の家庭教師指導では、ChatGPTなどの生成AIで作った教材を使用しています。
数年前までは、生徒の興味関心に合わせて教材を自作するのは多大な時間と労力を必要としました。しかし、現在はAIが数秒で問題を作ってくれるので、教材作成がかなり楽になりました。
AIが作った問題をそのまま使えないことも少なくありません。そのため、AIと何度かやり取りしたり、私が自分で細部を手直ししたりします。
それでも、数年前と比べたら時間と労力を大幅に削減できるようになりました。素材を集めたり、文章や問題を作ったりする手間がかからないのがありがたいです。
今回は、実際の指導で使ったオリジナル教材を紹介します。
野球が好きな小学生男子のための国語教材
中学受験をしない小学6年生男子には、野球をテーマにした文法・読解問題を作っています。
以下は、少年野球をテーマにした物語文で、述語に対応する主語を見つけさせる文法問題です。(これ以降の画像をクリックすると拡大表示されます)
この問題は、生徒の学年と字数を指定してChatGPTに作らせました。ただ、丸囲み番号を振って文字を太字にすることや、この後の解答欄を作ることは、私が自分で行いました。
続いて、以下は、生徒が好きな大谷翔平選手に関する説明文です。主語を見つける問題、指示語の内容を答える問題、対比と要約の記述問題を組み合わせた総合問題にしました。
対比の記述問題を作らせるため、本文を何度か修正させました。最初の文章では、2段落の一文をほぼ抜き出すだけで答えになるレベルの問題でした。そこで、解答に盛り込むべき要素を複数の文に分散させ、自分なりにまとめないと正解にならないようにしました。
この問題でも、解答欄を作るなど、自分で行った作業もあります。しかし、ネット上の正しい情報をもとに読みやすい文章を作ったのはChatGPTです。私とAIで分業して教材作成を行いました。
指導時は、これらの教材の本文を生徒に音読してもらいます。このとき、語句の意味や文法事項を解説したり、逆に生徒に野球の知識について説明してもらったりします。問題を解かせるのも大切ですが、それよりもまず、文章を読むことに慣れてもらうのが目的です。
生徒は「やる気が出る」と言っているので、指導方針としては概ね成功していると思います。
電車が好きな中学生男子のための英語教材
私立中学に通う中学2年生男子には、電車をテーマにした英文読解・英文法問題を作っています。
以下は「日本の鉄道の歴史」を解説した英文と、その内容の理解を問う選択問題です。難易度は英検3級レベルにしました。
生徒に本文を音読させながら、重要な文法事項や単語・イディオムを解説しました。たとえば、1文目の “have played … for …” は現在完了形の継続用法です。さらに、 “play an important role in A” は「Aで重要な役割を果たす」というイディオムです。一文一文ていねいに確認して、生徒の文法や語彙を確認します。
また、英文をグーグル翻訳に貼りつけると、音声を聴くこともできます。生徒には正しい発音をしっかり聴いてもらった後、音読してもらいました。
この教材は、本文や問題、解答・解説、日本語訳などをChatGPTに作らせた後、これらにふさわしいイラストを別に作らせ、PowerPointで文字情報とイラストを組み合わせました。具体的な作り方は以下の記事で紹介した通りです。
ちなみに、電車に詳しい生徒によると、「AIが作った電車が変すぎる」そうです(笑)

続いて、以下は、英検3級レベルの関係代名詞の問題と解答・解説・日本語訳です。
ネット上にある関係代名詞のプリントをChatGPTに読み込ませ、「問題の形式は添付ファイルを参考にしてください」という条件で問題を作らせました。形式を真似させただけなので、著作権侵害にはなりません。
解答・解説・日本語訳については、ChatGPTがこれらをバラバラに出力したので、以下の(例)を示してまとめさせました。
(例)
1. which
【解説】先行詞は a train で、物を表します。そのため which を使います。
【日本語訳】E233系は、東京周辺の多くの路線を走っている列車です。
生徒に興味を持ってもらう工夫としては、問題文の中に “E233 series” (E233系)や “Doctor Yellow” (ドクターイエロー)など、具体的な車両名を入れたことです。
ChatGPTに「電車をテーマに問題を作ってください」と指示するだけだと、「私は毎日電車で通学します。」のような詰まらない英文しか作ってもらえません。「具体的な車両名を入れてください」などの条件を提示するのがポイントです。
生徒に電車の知識を教えてもらったり、イラストの変なところを指摘してもらったりして、生徒に少しでも英語を楽しんでもらうよう心掛けています。
効率重視から興味関心重視への方針転換
私の家庭教師指導は少し前まで「効率重視」でした。
生徒が指示通りに勉強してくれさえすれば、最小限の時間と労力(とお金)で、本人が望む結果が出ていました。
私の指導だけで頑張った生徒たちの都立高校(高専含む)合格率は100%でした。中学受験でも、塾を辞めて私の指導だけに切り替えた受験生が全勝することもありました。
私が推奨してきた「効率的な勉強法」は結果に直結します。一方、この勉強法は必ずしも楽で、楽しいわけではないので、生徒や保護者にとって大変だったと思います。
私と生徒・保護者の間でどうしても価値観を共有できず、契約解除になったこともあります。

正直なところ、こうしたトラブルの積み重ねで、私自身は家庭教師の仕事に嫌気が差していました。自分に問題があることを自覚しつつも、一つか二つに絞った指示すら守ってくれない生徒や保護者に対して怒りを感じることすらありました。
しかし最近、ChatGPTなどの生成AIが進歩し、勉強のサポートでも十分に使えるまでになったことで、私の考え方もガラッと変わりました。
私の負担が大きすぎてできなかった「興味関心重視」へ指導方針を転換することにしました。
AIの力を借りながら、生徒一人ひとりの興味関心に合わせた教材を作り、「楽しい勉強法」を模索している最中です。
すべての科目でAIを活用できているわけではありません。それでも、現在指導中の生徒たちが楽しそうにしているのを見ると、私も嬉しくなります。








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