算数の「効率的な勉強法」とは?単位量あたりの大きさ・割合・速さ・比を体系化する

算数の「効率的な勉強法」とは?単位量あたりの大きさ・割合・速さ・比を体系化する 算数

私の家庭教師指導では「効率的な勉強法」を勧めています。

私が考える「効率的な勉強法」とは、少ない知識や技術を応用して、同じような問題は同じように解くことを目指す勉強法です

算数・数学や英語で特に有効な勉強法ですが、この勉強法で培われた思考法は、他科目、さらには人生におけるさまざま困難を解決する上でも役立ちます。

とはいえ、抽象的な話だけでは「効果的な勉強法」をイメージしづらいと思います。

そこで今回は、算数の「単位量あたりの大きさ」「速さ」「割合」「比」を題材として、私が実際にどういう教え方をするかをお伝えします。

「効率的な勉強法」は小学生のうちに身に付けるべき?中学で好成績を維持するために
「効率的な勉強法」は「楽しく、楽に、短期間で成績が伸びる勉強法」ではありません。そのため、小学生のうちから、信頼できる指導者と少しずつ勉強することが大切です。

「速さ」も「単位量あたりの大きさ」の一種

「単位量あたりの大きさ」は、多くの公立小学校で5年2学期に教えます。

中学受験塾ではどのタイミングで教えるのか不明です。ただ、「速さ」「割合」「比」などの重要単元の基礎が「単位量あたりの大きさ」なので、どこかでは教えるのでしょう。

小学生を指導する場合、私はできるだけ「単位量あたりの大きさ」を先取りで教えるようにします。というのも、学校などで教わっても理解できない小学生が多いからです。

多くの小学校で使われる東京書籍『新しい算数5上』では、「単位量あたりの大きさ」の導入として、うさぎ小屋の例から始まります。

私も学校に合わせて、うさぎ小屋の例を挙げて、生徒に「そもそも『こんでいる』って、どういうこと?」と問いかけることからスタートします。具体的にどう教えるかは以下の記事を参照してください。

「単位量あたりの大きさ」で小学生混乱!こんでいるのはどっちかな?
小学生の多くは「単位量あたりの大きさ」で混乱します。数値の大小とこみ具合の関係を考えて、言葉の定義や単位の意味をしっかり理解しましょう。

私は、生徒がうさぎ小屋の例から「ひき数か面積のどちらかを同じ数にそろえれば、こんでいるのはどっちかがわかる」と気付き、さらに「同じ数を6や10などにするのは面倒。割り算を使えば、同じ数を1にできる」と考えられるように、話を誘導していきます。

そして、「単位量あたり=1あたり」をしっかり意識させます。

この後、生徒に「値段が『高い』『安い』って、どういうこと?」「長さが『長い』『短い』って、どういうこと?」などと問いかけて、うさぎ小屋の例と同じように考えればよいことを理解させます。

私は生徒によく「12ロール298円のトイレットペーパーと、18ロール398円のトイレットペーパーだと、どっちが安い?」と聞きます(笑)

続いて、「単位量あたりの大きさ」の応用として、「人口密度」「速さ」に進みます。

特に「速さ」は、多くの小学生が苦手とします。そのため、私は、「速さ」も「単位量あたりの大きさ」の一種であることを強調します。

「速さ」の導入としては、私は生徒に「君と、君のお友達のA君は、どっちが足が速いの?そもそも『速い』『遅い』って、どういうこと?」と聞いてみます。ほとんどの生徒は答えられません。

私はさらに「100m走の記録がA君は19秒、B君は18秒なら、どっちが足が速い?」と聞いてみます。

すると、ほとんどの生徒は「(時間が短い)B君の方が速い」と答え、「同じ道のり(距離)を走るなら、時間が短い方が速い」とわかります。

しかし、道のりを同じにすると、「速い=時間が短い」「遅い=時間が長い」となって、直感的にわかりにくくなります。

そこで、「時間をそろえれば、道のりの長短がそのまま速い・遅いに一致する」という話をした後、「時間を1にそろえたときの道のり=単位時間あたりに進む道のり=速さ」を教えます。ここでいう「単位時間」は「1時間」「1分間」「1秒間」で、たとえば「1時間あたりに進む道のり=時速」です。

以上から、「単位量あたりの大きさ」も「速さ」も「2種類の数量(ひき数と面積、個数と値段、時間と道のりなど)のどちらかを1にそろえる」だけだといえます。これが頭に入っていれば、「速さの三公式」の意味もわかり、混乱を防げるでしょう。

【速さ】線分図・面積図・ダイヤグラムがあれば「みはじ」は要らない
速さの問題では、「みはじ」に当てはめるだけでなく、線分図・面積図・ダイヤグラムを描いてみましょう。特に、ダイヤグラムの読み取りが大切です。

「比」は「割合」を別の見方で捉えた表し方

「割合」は、多くの公立小学校で5年3学期に教えます。

「単位量あたりの大きさ」や「速さ」の単元の後、別の単元と冬休みを間に挟んで「割合」を学ぶ流れです。

そのため、「単位量あたりの大きさ」や「速さ」と「割合」のつながりが見えにくいのですが、ここでそのつながりをしっかり意識できれば、「割合が苦手」とはなりにくいはずです。

私が「割合」を教える場合、生徒に「6個は3個の何倍ですか?」と問うことから始めます。

この問いに対して、多くの生徒は「2倍」と即答します。

続いて私は生徒に「その『2倍』って、どういう意味?」と質問します。

ほとんどの生徒は答えられなくなります。

ここで私は生徒に「3個を『1倍』としたとき、6個は『2倍』になるという意味だよ」と教えます。そして、「単位量あたりの大きさ」や「速さ」と同じく、「割合」でも1あたりを考えることが大切だと伝えます。

このことを理解できれば、「6個は3個の2倍です。」は「6個のお菓子は、3個を1箱としたとき、2箱分になります。」と同じイメージで捉えられます。

「割合」で「1倍」にあたる数量を「もとにする量」といいます。この「もとにする量」と、これとくらべて2倍などになる「くらべられる量」の区別が、「割合」の難しい部分です。

さらに、「もとにする量」は1倍とは限りません。「もとにする量」が100%ならば「百分率」、10割ならば「歩合」です。

これらをふまえて私が割合をどう教えるかは以下の記事を参照してください。

【割合】線分図で倍・百分率・歩合がわかる!公式も「くもわ」も不要
割合の基本と線分図を使った問題の解き方をわかりやすく解説します。割合の3公式や「くもわ」の図を使わずに、線分図から式を作って考えましょう。

「割合」は最初、もとにする量を1倍にして、「単位量あたりの大きさ」や「速さ」などと同じような考え方からスタートします。その後、もとにする量を100%や10割に拡張していきます。そして、もとにする量を特定の数字に固定しないのが「比」と考えられます

「比」は、多くの公立小学校で6年1学期に教えます。

3:2という比から、3÷2=1.5という比の値を求めることがあります。

この比の値は何に使うのかわかりにくい数値ですが、実は「比」を「割合」に変換したものといえます。3:2の2をもとにする量(1倍)としたとき、3は1.5倍になることを表します。

要は、「比」は「割合」を別の見方で捉えた表し方です。

最終的には全て「比」で統一できる

ここまで書いたことを、全ての生徒に同じように話すわけではありません。

あまり学力の高くない生徒に「『比』は『割合』を別の見方で捉えた表し方だよ」と教えても、理解してもらえないでしょう。

ただ、中学受験で難関校を目指す生徒には、「単位量あたりの大きさ」から「比」までの一連の流れを話すようにはしています。

実際、優秀な中学受験生が4年のとき、月1回1時間で「単位量あたりの大きさ」から始めて「比」までじっくり教えました。彼は算数でつまずくことなく、最難関校に合格しました。

いずれにしても、「単位量あたりの大きさ」から「比」までを体系的に理解すると、最終的には全て「比」で統一できます

① 100gで250円の牛肉を380g買うといくらになりますか。

→ 重さ:値段=100g:250円=380g:□円

→ □=250×380÷100=950(円)

② 時速45kmで走る車が600kmを走るのに、何時間何分かかりますか。

→ 時間:道のり=1時間:45km=□時間:600km

→ □=1×600÷45=13\(\frac{1}{3}\)(時間)→13時間20分

③ 水そうAには\(\frac{5}{6}\)L、水そうBには\(\frac{4}{3}\)Lの水が入っています。水そうBの水の量は、水そうAの水の量の何倍ですか。

→ 水の量:倍=\(\frac{5}{6}\)L:1倍=\(\frac{4}{3}\)L:□倍

→ □=1×\(\frac{4}{3}\)÷\(\frac{5}{6}\)=\(\frac{8}{5}\)(倍)

①~③を全て「比」で解けば、速さの三公式や割合の三公式、「みはじ」や「くもわ」の図、さらには線分図やテープ図すら不要になって、立式や計算がとても楽になります。

このように、少ない知識や技術を応用して、同じような問題は同じように解くことを目指す勉強法を、私は「効率的な勉強法」として生徒に勧めます。

「効率的な勉強法」は小学生のうちに身に付けるべき?中学で好成績を維持するために
「効率的な勉強法」は「楽しく、楽に、短期間で成績が伸びる勉強法」ではありません。そのため、小学生のうちから、信頼できる指導者と少しずつ勉強することが大切です。

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