中学受験や高校受験の理科で難しいのが天体分野です。この天体分野のうち、多くの受験生が苦手とする問題を解説します。
地球の位置と星座の見える方角の関係を考える
【問題】下の図は、地球が太陽の周りを公転している様子を表したものである。これについて、あとの問いに答えなさい。
(1) Aの位置に地球があるとき、午前6時ごろの東京では、おうし座はどの方角に見えますか。
(2) Cの位置に地球があるとき、真夜中の東京では、東の空にどの星座が見えますか。
星座と方角の関係について考える場合、【問題】で与えられた図を次のように描き直すと分かりやすくなります。
これは、北極の方向から地球の公転軌道を見下ろした図です。
地球を表す円で灰色の部分は、太陽光が当たらない時間帯、すなわち夜の時間帯を表しています。この図では地軸の傾きを無視しているため、昼と夜の長さが均等です。正確性には欠けますが、こちらの方が視覚的に分かりやすいでしょう。
この図を見ながら、(1)と(2)を解いていきます。
(1)の解き方(おうし座が見える方角)
Aの図だけを抜き出して、次のように書き込みます。
東京(日本)は北半球にあります。そのため、地球の自転によって、東京(日本)は上図の緑の円上を動きます。また、北極側から地球を眺めた場合、自転の向きは反時計回りです。
これらの情報をもとに、まずは東京(日本)の時間帯を上の図に書き込みましょう。
次に、午前6時の東京の位置に東西南北を書き込みましょう。北極の方角を北にして、南・東・西を判断します。
ここまで書き込めれば、図は次のようになっているはずです。
この図から、おうし座が見える方角が西だとわかります。
(2)の解き方(真夜中の東の空に見える星座)
(2)を考える場合も、(1)と同じようにCを描きます。「真夜中」とは「午後12時(午前0時)」のことです。
【問題】で与えられた図から東の方角を確認すると、みずがめ座が見えると分かります。
図を描いて論理的に考えれば必ず正解できる
【問題】は、一見すると難しそうですが、論理的に考えれば必ず正解できます。パッと見で「分からない」と諦めて適当に答を書くのではなく、正しく図を描いて理解することが天体分野では大切です。
トップ画像=Pixabay
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