【数の性質】整数の積は2で何回割り切れるか?素因数分解の応用問題

みみずく戦略室 数の性質

問題演習コーナー

整数の積が1から始まらないときは?

【問題1】50から順に整数を100までかけた積A=50×51×52×53×…×99×100があります。Aは2で何回割り切れますか。

【問題1】も、【例題1】と同じように考えるため工夫します。

B=1×2×3×4×…×99×100、C=1×2×3×4×…×48×49とすると、「Aを2で割り切れる回数=Bを2で割り切れる回数-Cを2で割り切れる回数」です。このことに気づけば簡単でしょう(ちなみに、Cの最後は50ではなく49です)

Bを2で割り切れる回数は【例題1】より97回です。

Cを2で割り切れる回数は、次の計算から24+12+6+3+1=46(回)です。

  • 2の倍数の個数 … 49÷2=24(個)
  • 4の倍数の個数 … 49÷4=12(個)
  • 8の倍数の個数 … 49÷8=6(個)
  • 16の倍数の個数 … 49÷16=3(個)
  • 32の倍数の個数 … 49÷32=1(個)

したがって、「Aを2で割り切れる回数=Bを2で割り切れる回数-Cを2で割り切れる回数」なので、Aは2で97-46=51(回)割り切れます。

整数の積は12で何回割り切れるか?

【問題2】1から順に整数を100までかけた積A=1×2×3×4×…×99×100があります。Aは12で何回割り切れますか。

12=2×2×3なので、×2と×3の個数をそれぞれ求めます。

×2の個数は【例題1】より97個です。12の積にある2は2×2の2個で1セットなので、97個の2を2個ずつに分けると、97÷2=48(セット)になります。

×3の個数は、次の計算から33+11+3+1=48(個)です。

  • 3の倍数の個数 … 100÷3=33(個)
  • 9の倍数の個数 … 100÷9=11(個)
  • 27の倍数の個数 … 100÷27=3(個)
  • 81の倍数の個数 … 100÷81=1(個)

2×2は48セットあり、×3も48個あるので、×12は48個になります。したがって、Aは12で48回割り切れます。

シイタケくん
シイタケくん

×2の個数を求めてから2×2のセットを作るよりも、初めから4、16、64で考えた方が速いですよね?

エノキさん
エノキさん

4、16、64で計算してみます。

  • 4の倍数の個数 … 100÷4=25(個)
  • 16の倍数の個数 … 100÷16=6(個)
  • 64の倍数の個数 … 100÷64=1(個)

だから、×4は25+6+1=32(個)あって……。あれ、48個よりも少なくなりますよ?

エリンギ先生
エリンギ先生

×4は4の倍数だけから出てくるとは限らない。×6と×10はそれぞれ×2×3と×2×5なので、×6×10=×2×3×2×5=×4×3×5で×4が出てくる。こういう場合も考えないといけないから、×2の個数を求めたんだ。

トップ画像=Pixabay

コメント

  1. 中3 より:

    中3です。勉強になる記事ばかりで目からウロコでした。
    早速ですが、3つ質問があります。
    心情を読み取るにはどうしたらいいのか?
    短い文章だったり心情語が直接かかれている場合はいいのですが複雑な文章や行動から推測する必要がある問題になると頭がごちゃごちゃになります。

    素早く言い換える力をつけるには?
    語彙力を鍛える必要があると思いますが具体的にどのようにしたら良いのでしょうか。

    50字 80字といった長文の記述問題で
    構造を理解して、記述を考えて、書くという過程を時間内に出来るのでしょうか?やはり積み重ねですか?

    • みみずく みみずく より:

      コメントありがとうございます。
      以下はご質問への回答です。

      > 心情を読み取るにはどうしたらいいのか?

      「複雑」のレベルがどのくらいを想定しているのかがわかりませんが、入試に出る小説ならば、心情読み取りはある程度パターン化できます。
      たとえば、過去記事にも書きましたが、「顔が赤くなる」ならば「怒り」「恥ずかしさ」「恋愛感情」のどれかです。
      こういう行動や表情などと直接的な心情表現を対応させてまとめ、自分なりの「心情ノート」みたいなのを作っておくと便利だと思います。

      > 素早く言い換える力をつけるには?

      これも「心情ノート」と同じく、自分なりにノートなどにまとめておくと役立ちます。
      特に「憤怒=憤り=怒り」のように、音読みの熟語を訓読みに分解してみると語彙を増やしやすいです。
      後は「現代文キーワード集」のような参考書を読んでいくとよいと思います。
      一問一答形式の単語帳で語彙を増やすのは効果的ではありますが、暗記が苦手だと時間がかかる割に…となりやすいです。

      > 50字 80字といった長文の記述問題で構造を理解して、記述を考えて、書くという過程を時間内に出来るのでしょうか?

      50~80字だとそれほど長い記述ではありません。
      本文中の根拠を精々2~3つ見つけてまとめるだけなので、それほど苦労しないと思います。
      基本的には抜き出し問題の延長と考えて、本文中の根拠に線を引き、不要な部分を削り、論理関係だけ注意して記述します。
      自分の頭で考える要素はほとんどありませんので、慣れればただの作業で、それなりに速くできるようになります。

      中3だと受験勉強の真っただ中ですね。
      日々の受験勉強を意味のあるものにしてほしいと思います。
      応援しています!

      • 中3 より:

        ありがとうございます。

        いつも記述問題でどうやって書こうか悩んで時間オーバーになってしまいます。たくさん問題を解いていったら良いのでしょうか?

        特に小説の記述問題では

        ①何となく分かるが文章をまとめられない!
        ②内容は合っているがキーワードが入っておらず不正解
        ③根拠っぽい箇所を見つけたのはいいが複数あって迷う

        これらを改善するにはどうしたら良いでしょうか。

        • みみずく みみずく より:

          ご質問への回答です。

          > いつも記述問題でどうやって書こうか悩んで時間オーバーになってしまいます。

          そもそもの話として、書き方で悩んではいけません。
          小説ならば「感情が起こった原因or感情が向かう対象+直接的な感情表現」でまとめるだけです。
          たとえば、「花瓶を壊して母に叱られたことで落ち込む気持ち。」「花子にラブレターを渡せるかどうかを不安がる気持ち。」などです。
          さらに、字数に合わせて、感情が起こった原因or感情が向かう対象を詳しく書きます。
          「花瓶を壊して~」ならば「なぜ花瓶を壊したのか?」「母にどのように叱られたのか?」などを膨らませます。
          このように型を決めて書くことが大切です。

          > ①何となく分かるが文章をまとめられない!

          ここまででお伝えした通りです。

          > ②内容は合っているがキーワードが入っておらず不正解

          キーワードが入っていないということは、そもそも内容が合っていないと思われます。
          まずは最低限必要となる言葉を決めて、それらを詳しく説明していくのがコツです。
          「花瓶を壊した」「母に叱られた」「落ち込む」という解答の骨格となる言葉を抽出する訓練をしてみてください。

          > ③根拠っぽい箇所を見つけたのはいいが複数あって迷う

          根拠っぽいではダメで、確実に「ここが根拠だ!」と言える箇所を特定してください。
          その特定のためのテクニックを磨く必要があります。

          たとえば、傍線部の言いかえならば、傍線部中の指示語や抽象的な言葉の説明になっている箇所が根拠です。
          それらを探すためには、指示語や接続をヒントにしたり、同じ(似た)言葉を探したりします。
          まずは、抜き出し問題でほぼ100%正解できるように練習するとよいと思います。

          > たくさん問題を解いていったら良いのでしょうか?

          志望校の過去問を中心として、正解に至る方法を自分なりに確立してください。
          具体的には、正解を見た後、本文中のどこに根拠があり、どういう手順でその根拠にたどり着けるのかを自分なりに考えます。
          解説を読む前に正解から逆算することです。
          逆算して「こういう手順でここに根拠がある」と分かった後、解説と自分の考えが合致するかどうかを確認します。
          ただ、高校入試用の問題集だと、解説がダメなものも多いので要注意です。

          たくさん問題を解くのではなく、正解から逆算する訓練をしばらく続けてみてください。

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