国語の文法問題の中に、主語や述語を見つける問題があります。多くの小学生や中学生は、「主語」「述語」と聞いただけで「無理!」と拒絶反応を示します(笑)
そんな小中学生のために、本記事では主語や述語の見つけ方をわかりやすく解説します。
主語と述語は文節単位で考えよう
日本語では、「。」(句点)が終わったところから次の「。」までの一続きを「文」といいます。「僕は公園で野球をした。その後、家に帰って夕食を食べた。」は、「僕は公園で野球をした。」と「その後、家に帰って夕食を食べた。」がそれぞれ文です。
次に、文を不自然にならないレベルで区切った最小単位を「文節」といいます。「不自然にならない」の意味がよくわかりませんが、学校などでは「『ネ』を入れて区切りましょう」と教わることが多いでしょう。「僕は公園で野球をした。」を文節で区切れば、「僕は(ネ)/公園で(ネ)/野球を(ネ)/した。(ネ)/」です。
文節単位で考えるとき、動作や状態などの主体となるのが「主語」で、主語の動作や状態などを表すのが「述語」です。これだけだと、何を言っているのか、よくわからないのではないでしょうか?
もう少し説明すると、「何(だれ)がどうする」の「何(だれ)が」が主語で、「どうする」が述語です。述語の「どうする」は、「どんなだ」「何だ」になることもあります。
- 何(だれ)がどうする → 主語:何(だれ)が / 述語:どうする
- 何(だれ)がどんなだ → 主語:何(だれ)が / 述語:どんなだ
- 何(だれ)が何だ → 主語:何(だれ)が / 述語:何だ
「僕は公園で野球をした。」なら、「僕は」が主語で、「した。」が述語です。「何(だれ)がどうする」型の文であるとわかります。
最初に述語を見つけてしまおう
「主語と述語は文節がどうこう」と言われても、小中学生にとってはやはり???でしょう。もっと実践的な主語と述語の見分け方を紹介します。
主語と述語を見分ける問題では、最初に述語を見つけてしまいます。なぜなら、述語を見つけるのはとても簡単だからです。
日本語の文では、文末(文の最後)の文節が述語になるのが原則です。「僕は公園で野球をした。」なら、「した」が述語です。「その後、家に帰って夕食を食べた。」なら、「食べた」が述語です。
ただし、文が途中で省略されている場合や倒置法が使われている場合は例外です。「君はどこへ?」みたいな文では、述語の「行くの?」が省略されています。一方、「僕はその時計を買うんだ、絶対に。」みたいな文が倒置法で、本来の語順である「僕はその時計を絶対に買うんだ。」に直したときの文末「買うんだ」が述語です。
述語を見つけたら、次は主語を見つけましょう。
形式から主語を見つけよう
主語を見つける場合、意味から考えるのではなく、形式から判断するようにします。
具体的には、まず「が」「は」「も」「こそ」「さえ」などが付いている文節を抜き出します。次に、抜き出した文節を述語とくっつけてみて、意味がおかしくなければ、その文節が主語になります。
「僕は公園で野球をした。」なら、「は」の付いている文節の「僕は」です。「僕は」を述語の「した」とくっつけてみると、「僕はした」で意味がおかしくありません。したがって、「僕は」が主語です。
一方、「その後、家に帰って夕食を食べた。」には、「が」「は」「も」「こそ」「さえ」などが付いている文節はありません。したがって、この文には主語がないとわかります。日本語の文では、主語が省略されることがあるので要注意です。
主語と述語をくっつけて意味を確認しよう
述語は迷わないと思いますが、主語には紛らわしいものがあります。たとえば、次の文の主語はどの文節でしょうか?
今日は、宮城に住んでいるおばが僕の家に遊びに来る。
「は」の付いている「今日は」を主語だと考えると間違いです。なぜなら、述語の「来る」とくっつけて「今日は来る」とすると、「『今日』という何者かがどこからかやって来る」という意味になるからです。したがって、「今日は」は主語ではありません。
次に、「が」の付いている「おばが」を主語だと考え、「来る」とくっつけてみます。「おばが来る」で意味がおかしくないので、「おばが」が主語です。
次のそれぞれの文では、「今日は」は主語になるでしょうか?
- 今日は、友達と一緒に公園で遊ぶ。
- 今日は、ずっと楽しみにしていた運動会だ。
1の文では、「今日は遊ぶ」にすると、「『今日』という存在が何かをして遊ぶ」という意味になっておかしいです。したがって、「今日は」は主語ではありません。ちなみに、他には「が」「は」「も」「こそ」「さえ」などが無いため、この文には主語はありません。
2の文では、「今日は運動会だ」で意味がおかしくありませんので、「今日は」が主語です。
「この文節は主語かな?」と悩んだら、必ず述語とくっつけて意味を確認してください。
小中学生のうちに主語と述語を理解しよう
主語と述語を意識することはとても大切です。国語の文法問題を解くためだけでなく、作文や他の科目にも影響するからです。
たとえば、「僕の夢は、たくさんの人々を救う医者になりたいです。」という文のどこがおかしいか、説明できますか?
この文は、主語と述語がねじれていることに問題があります。具体的には、「夢は」が主語で述語が「なりたいです」なので、主語と述語をくっつけると「夢はなりたいです」です。不自然な日本語です。
この文を正しく書きかえるなら、「僕の夢は、たくさんの人々を救う医者になることです。」か「僕は、たくさんの人々を救う医者になりたいです。」のどちらかでしょう。
主語と述語がきちんと対応した文を書くことが大切です。
また、高校で学ぶ英語や古文では、主語を正しく把握することが正確な読解への第一歩です。
小中学校の国語の授業では、主語と述語が軽く扱われます。しかし、高校での学習につなげるためにも、小中学生のうちに主語と述語を理解しておくといいでしょう。
トップ画像=写真AC
コメント
説明がとてもわかりやすかったです❗
そう言っていただけると嬉しいです!
勉強だけでなく、日常生活でも、主語と述語を意識することをおすすめします!