少ない宿題でも成績を伸ばせる!量をこなすだけの「作業」は勉強ではない

少ない宿題でも成績を伸ばせる!量をこなすだけの「作業」は勉強ではない 勉強法

僕の家庭教師指導では、宿題を大量に出しません。

学校・塾・習い事などで忙しいという生徒側の事情と、指導時間を宿題の指示やチェックに費やしたくないという家庭教師側の事情があるからです。

しかし、僕の出す宿題の量が少ないからといって、それが楽な宿題であるとは限りません。むしろ、多くの生徒たちにとって、僕の出す宿題はかなりキツイようです。

こうした事情をふまえつつ、少ない宿題で結果を出していく方法をお伝えします。「塾の宿題を真面目にこなしているのに、全く成績が伸びない」と悩む子供とその保護者の参考にもなると思います。

少ない宿題にどう取り組めばよいのか?

英語の宿題を考えましょう。

大手進学塾に通う生徒たちは、1週間で文法問題集を5~6ページ解いてくるように指示されます。もちろん、そのページの中には、授業で解説された内容の応用問題も含まれます。

一方、僕が生徒に課す1週間分の宿題は、たとえば文法問題のプリント1枚(問題数20問)の暗記です。しかも、プリントに書いてある問題は、全て指導時に解説済みです。

「全て完璧に理解する」とは?

文法問題のプリント1枚(問題数20問)の暗記を例にすると、僕が生徒に求めるのは次のことです。

  • 問題を見た瞬間、数秒で答を言えるようにする。
  • 解答の根拠を全て説明できるようにする。
  • 他の選択肢の不正解理由も説明できるようにする。
  • 各問題文の和訳を完璧にできるようにする。

次の指導時、僕はこれらの観点から生徒の宿題をチェックします。チェックといっても、生徒に数問聞いてみるだけです。そして、その数問があやふやな生徒については、「宿題をやっていない」と判断します。生徒の言い訳は一切聞きません。

そのため、生徒は、僕の課した宿題を全て完璧に理解しなければなりません。しかし、全て完璧に理解することがかなりキツイようです。ほとんどの生徒たちは、僕の指導に慣れるまで、プリント1枚(問題数20問)の暗記ですら僕の要求水準を満たせません。これが点数も偏差値も上がらない理由です。

宿題が単なる「作業」になる

大量の宿題をただこなすだけなら楽です。何となく問題を解き、丸付けすれば、あっという間に終わるからです。文法問題集を1ページ解くのに5分かかっても、30分もあれば5ページが終わります。中には、1ページに30分かける生徒もいますが、大抵はダラダラ解いているだけです。

多くの大手進学塾は、こうした「作業」を宿題として大量に課しています。しかも、その宿題を真面目にこなした生徒たちに対するきめ細やかなフォローはありません。宿題をやったかどうかをチェックする程度です。

優秀な生徒たちは、管理が杜撰な「作業」からもいろいろ学びます。しかし、その他大勢の普通の生徒たちは、「作業」をこなすだけで満足し、何も学びません。結果として、「塾の宿題を真面目にこなしているのに、全く成績が伸びない」という悲劇が起こります。

大量の宿題は塾の責任逃れ

大手進学塾が大量の宿題を生徒に課すのは責任逃れのためです。「塾ではこれだけのことをやらせています。それでも成績が上がらないのは、生徒の努力不足が原因です」と言い訳できるようにしています。

一方、生徒や保護者も大量の宿題をこなすことで安心感を得ます。単なる「作業」を機械的にこなしているだけなのに、「これだけやっているのだから」と自己満足しているのです。

量をこなすだけの「作業」から脱却するには?

僕は長年教育の仕事を続けていますが、「量をこなしなさい」というアドバイスを真に受けて失敗した生徒たちをたくさん見てきました。特に、大量の宿題を家庭学習に丸投げする塾に通っている生徒たちは悲惨でした。

全て完璧に理解することを徹底する

もちろん、入試本番1年前から半年前は、どんな生徒でも「量をこなす」段階に移行する必要があります。しかし、それは基礎基本をある程度習得できた後の話です。

わけもわからず問題を解きまくってきた生徒たちは、入試問題に取り組む段階で大混乱に陥ります。というのも、彼らの頭はデタラメな知識であふれ返り、正しく考えられない状態になっているからです。この状態を矯正するのはとても大変です。

だからこそ、僕は、生徒が「量をこなす」段階に入るまで、少ない宿題を全て完璧に理解することを徹底させます。小中学校で学ぶレベルのことは、少ない知識や演習量でも十分に理解できます。逆に、量をこなすだけの「作業」に終始すると、暗記地獄に陥って苦しむ一方で、いつまでも結果につながりません。

少ない宿題でも子供の成績を伸ばせる

僕は少ない宿題しか出しません。それでも、僕の要求水準を満たした生徒たちは定期テストや模擬試験などで点数や偏差値をアップさせてきました。保護者から「みみずく先生は、子供をあまり勉強させている感じがありません。でも、子どもがよくできるようになりました」と感心されたこともあります。

一方、子供の成績が伸びないことに悩む保護者は「もっとたくさん勉強させないといけない」と考えがちです。しかし、当記事で伝えてきた通り、量を増やすことで勉強が「作業」となり、却って子供の学力に悪影響を与えかねません。

子供を塾に通わせても成績が伸びないのなら、保護者は塾の宿題をバッサリ削りましょう。そして、1週間に1ページでも2ページでも構わないので、これらを全て完璧に理解できるまで取り組ませると効果的です。

たとえば、学校で習う算数が苦手な小学生だけでなく、一般的な模試で偏差値60を超えられない中学受験生の多くも、「倍数」「公倍数」「最小公倍数」「約数」「公約数」「最大公約数」を区別できません。これらの用語の意味や求め方を完璧にさせるだけでも、子供の算数の点数や偏差値が大きく伸びることがあります。

少ない宿題でも子供の成績を伸ばせます。何を削って何をやらせるかにはコツがあるので、そのコツがわからない保護者はプロに相談するとよいでしょう。

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