勉強しているのに偏差値が上がらない理由!成績が伸びない受験生に必要なのは?

勉強しているのに偏差値が上がらない理由!成績が伸びない受験生に必要なのは? 勉強法

夏休みが近くなると、教育掲示板や家庭教師募集掲示板などに「一生懸命勉強しているのに偏差値が上がりません」という悩みが増えます。

塾に通って数年間勉強してきたはずなのに偏差値は40台、さらに酷いと30台だそうです。中学受験生だと、小学1、2年から大手進学塾に通ってきたのに低偏差値のケースも散見されます。

20年近く中学受験生から大学受験生まで幅広く指導してきた僕からすると、彼らの偏差値が伸びない理由は明らかです。その理由をふまえて、どうすれば夏休みで劇的に偏差値を上げられるのかを紹介します。

得意を伸ばすか?苦手を潰すか?

勉強法に限らず、さまざまなスキルアップの場面で、「得意を伸ばすか?苦手を潰すか?」が議論されます。僕の意見としては、受験勉強に限定するならば「苦手を潰す」一択です。

「得意を伸ばす」の根拠として、「長所を伸ばすことで短所が見えなくなる」があります。これは正しいと思いますが、罠が潜んでいることに気づきましたか?

その罠とは、得意(長所)を伸ばしても、苦手(短所)が見えなくなるだけで、苦手(短所)がなくなるわけではないことです。

確かに、サラリーマンや集団スポーツ選手などは、得意を伸ばした方が効果的でしょう。というのも、彼らが苦手でできないことは、他の誰かに補ってもらえるからです。もしくは、苦手を補うツールを使うこともできるでしょう。

しかし、受験は団体戦ではなく個人戦です。入試本番で目の前の問題を解決できるのは自分しかいません。他人やツールに頼れず、苦手な科目や単元でも自分で何とかするしかありません。だから、入試本番で苦手な問題が出ても得点できるように「苦手を潰す」が重要です

昨今は、「得意を伸ばす」を推奨する人たちの言葉が飛び交っています。これらの言葉は、特定の条件下でしか成り立たない上に、受験勉強では有害だと肝に銘じておきましょう。

以上より、勉強しているのに偏差値が伸びない理由は苦手を潰さないからだと僕は考えます。したがって、塾などのカリキュラムに従うのではなく、苦手を徹底的に潰していけば、夏休みで劇的に偏差値が上がるでしょう

苦手への向き合い方は偏差値に直結する

僕は、長年の指導経験を通して、苦手への向き合い方がそのまま偏差値に直結すると思っています。そのため、僕は体験指導で、生徒ができていないことを指摘し、それをできるようにするのに必要な勉強法を伝えます。この後の生徒や保護者の反応を偏差値ごとに紹介します。

偏差値40~50台

僕が偏差値40~50台の受験生に「●●ができていないから、▲▲するといいですよ」と話すと、大抵は継続指導をお断りされます。彼らやその保護者は「嫌なことを言われたから信頼できない」と思うからでしょう。

もちろん、彼らの中には「苦手」な単元を意識していて、そこを何とかしたいという思いがあることも少なくありません。しかし、それは大抵ズレています。

たとえば、算数や数学ならば、ただの計算すらできないのに「文章題が苦手」と思い込んでいます。英語ならば、be動詞と一般動詞の区別すらついていないのに「長文読解が苦手」と思い込んでいます。

だから、僕は彼らに「君が苦手だと思っていることをどうにかしようとする前に●●をやろう」と伝えます。しかし、彼らはそれが不満なのでしょう。自分が考える「苦手」をパッと解決してくれる(=地道な勉強をしなくてもできるようにしてくれる)神様を望んでいるから、面倒なことを言う僕の話がすべて「嫌なこと」なのです。

彼らは、どんなに一生懸命「勉強」しても、その悉くが空回っているので、偏差値が劇的に伸びることはまずないでしょう

偏差値60前後

僕が偏差値50後半~60前半の受験生に「●●ができていないから、▲▲するといいですよ」と話すと、彼らは納得してくれて指導継続になることが多いです。彼らやその保護者は「みみずく先生の言っていることは正しい」と思うようです。しかし、彼らがこの後どういう勉強をするかで成績が伸びるか伸びないかが決まります。

僕の指示通りに苦手を潰していってくれた生徒は、偏差値5~10は伸びます。たとえ偏差値が劇的に伸びなくても、模試の偏差値+5~10の第一志望校に合格することも少なくありません。僕の指導だけで全勝した中学受験生や高校受験生たちはこのパターンですし、僕自身の高校受験での成功も同じです。

一方、僕の指示は理解しているものの、抵抗があってなかなか苦手を潰せないまま時間だけが過ぎていく生徒は、偏差値が横ばいです。もっとも、他の受験生の学力も伸びてきていることを考えれば、夏休み以降に偏差値が横ばいでも学力は伸びています。ただ、それで第一志望校に合格するかといえば、難しいのが現実です。

苦手を潰せない原因に、保護者が余計なことをしている場合もあります。僕が「▲▲をしてください」と指示しているのに、保護者が▲▲だけでなく■■もやらせたり、塾や他の家庭教師の言ったことをミックスしたりすると、却って生徒は苦手な●●を克服できません。

偏差値70前後

僕が偏差値60後半~70前半の受験生に「●●ができていないから、▲▲するといいですよ」と話すと、次の連絡時に「みみずく先生に言われた通り▲▲したら●●ができるようになったので、これ以上指導していただかなくて大丈夫です」と言われます。

これは良いことなのですが、継続指導につながらないので、僕としてはため息しか出ません。

それはそうと、偏差値70前後の受験生は他の受験生と考え方が根本的に違います。たとえ、彼らが「得意を伸ばす」と言っていても、よくよく話を聞くと、「得意な英語の中でも、苦手な文法を徹底的に勉強したいです」というような場合がほとんどです。得意を伸ばすには苦手を潰すしかないことを理解しています。

毎年仕事の関係で東大や医学部に現役合格した人たちの話を聞いていますが、純粋に「得意を伸ばす」だけの勉強をしてきた人は一人もいませんでした。それぞれが自分の弱点を正しく把握し、それを適切な方法で克服しています。

「英語が得意」と豪語しているにもかかわらず、共通テストの英語(読解)で半分くらいしか得点できない偏差値50台の受験生とは大違いです。

受験で結果を出すために必要なことがわかっている人が偏差値70に到達するのでしょう。

体験指導を有料にしている理由

僕の家庭教師指導では体験指導も有料にしています。僕がせっかく有益な情報を提供しても継続指導につながらないと、僕の時間と労力だけが無駄になるからです。

偏差値40~50の層にはさっぱり話が伝わらず、偏差値70前後の層はたった1回のアドバイスで劇的に成績を伸ばして終わります。そういうのが続いた経験から、現在は無料での体験指導を行っていません。今後も行わないつもりです。もちろん、指導を検討していない人からの教育相談も受け付けていません。

偏差値40~50の生徒に対しても、じっくり時間をかけて信頼関係を築けるのなら、いきなり弱点を指摘しない指導も可能です。しかし、受験学年の夏休み前後、入試本番まで半年を切った時期に、そんな悠長なことはしていられません。

だから、僕は「何をすれば志望校合格への一番の近道か?」を考えて、時に生徒が嫌がることでも言いますし、やらせます。これに納得できない生徒は、僕の体験指導を受けても無駄でしょう。

逆に、僕の指示通りに苦手を潰していける生徒ならば、入試本番半年前からでも偏差値を伸ばし、手が届かないと思われた第一志望校に合格することもできると思います。

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