言っていることとやっていることが違うとどうなる?言行不一致を改善するメリット

言っていることとやっていることが違うとどうなる?言行不一致を改善するメリット 生徒・保護者

成績が伸び悩む生徒の多くには、「言っていること(考えていること)とやっていることが違う」という特徴が共通します。

いわゆる「言行不一致」で、これは学力の向上に悪影響を及ぼすだけではありません。本人に自覚はないのに、他人からは「嘘をついている」「ごまかしている」ように見えて、人間関係のトラブルに発展することもあります。

だから、私の家庭教師指導では、生徒たちに「言っていること(考えていること)とやっていることを一致させなさい」と伝えています。

その間違いはケアレスミス?根本的な理解不足?

小学生に算数を教えていると、次の間違いをよく見かけます。

  1. 三角形の面積を求めるのに、÷2をしなかった。
  2. 円周の長さを求めるのに、円の面積の公式を使って計算した。

素人目には、どちらも「ケアレスミス」「不注意ミス」に見えます。

一方、経験豊富な指導者ならば、「ケアレスミスではなく、根本的に理解していないから生じる間違いだ」と指摘するかもしれません。

私も基本的に、これらの間違いについては「ケアレスミス」などと評価して終わりにするのではなく、生徒にいろいろ質問して間違いの根本原因を探るようにしています。

1ならば、私は生徒に「三角形の面積公式は?」と質問します。

生徒が「三角形の面積の公式は『底辺×高さ』です」と答えれば、私は「平行四辺形の面積の公式と三角形の面積の公式が区別できていない」と判断します。

しかし、「三角形の面積の公式は『底辺×高さ÷2』です」と答える生徒もいます。この場合、私は「÷2を書き忘れたのは、本当にケアレスミスなのかな?」と考えつつも、さらに生徒の言動をじっくり観察します。

2ではまず、私は生徒に「何を求めようとしたの?」と質問します。

生徒が「面積を求めようとしました」と答えれば、私は「問題文を読まずに、思い込みで問題を解いた」と判断して、「問題文を音読して」と促します。

また、生徒がいきなり「『半径×半径×3.14』を計算しました」と答えた場合、私は「式を答えるのではなく、何を求めようとしたのか、言葉で説明して」とさらに追及します。この後、生徒が「面積を求めようとしました」と答えることもありますが、「円周の長さを求めようとしました」と答えることもあります。

前者は問題文を読んでいなかったのでしょう。一方、後者は、円周の長さの公式と円の面積の公式を混同している可能性があります。ただ、本当に公式を混同しているだけなのかは、もう少し観察が必要です。

1でも2でも、気になる生徒に関しては、継続的に観察します。そうすると、「言っていること(考えていること)とやっていることが違う」という特徴が見えてくることがあります。

衝動的に行動する癖が言行不一致を引き起こす

「言っていること(考えていること)とやっていることが違う」の例は次の通りです。

  • 「かけ算をしました」と言いながら割り算の式を書く。
  • 「『が』や『は』の付いている言葉が主語です」と言いながら「『野球』が主語です」と答える。

こういう特徴のある生徒は、衝動的に行動する癖があります。

小学校の授業だと、積極的な発言自体が高く評価されがちです。発言内容の良し悪しよりも、何回手を挙げたとか、すぐに答えたとか、そういう部分が褒められることが多く、小学生の多くは発言や解答の内容を吟味する習慣が身に付いていません

これは生徒に問題があるというより、学校や塾の教育の問題です。だから、私は生徒に次のように注意します。

小学校では、間違っていても積極的に発言すること自体が評価されるかもしれないけれど、同じことを中学以降でやってはいけない。根拠のない発言を繰り返していると、他人から「あいつはいい加減なことばかり言う」と評価されて信頼を失う。今のうちから、多少時間がかかってもいいから、「どうしてそう答えるのか?」を考えた上で発言しなさい。

このように注意された生徒は、発言や解答までに時間がかかるようになりますが、その内容の正確さは格段に上がります。

たとえば、三角形の面積を求めるのに、「三角形の面積を求めよう。このとき使う公式は『底辺×高さ÷2』だ。底辺は8cm、高さは5cmだから、公式に当てはめて8×5÷2になる」という言語化をしてから式を書くので、「÷2をしなかった」のような間違いはなくなります。

さらに、私に「どうしてその答えになったの?」と問われても、自分の答えの根拠を説明できるようになります。そうすると、たとえ答えが間違っていても、間違いをどう直せばよいのか、自分で気づけるようになります。

何よりも、衝動的な行動が減るので、日常生活においてなぜか「上手くいかない」状況が改善され、人間関係のトラブルも激減します。いわゆる「人生の質」が向上します。

言行不一致は小学生のうちに矯正しておくのがおすすめ

言行不一致と、その根底にある「衝動的に行動する癖」は、障害や病気に由来することもあります。

「脳の特性」などと言われればその通りですが、そこで「仕方ない」と諦めるのか、「改善しよう」と前向きに考えるのか、どちらを選択するかで後々の生きやすさは変わります。

「自分は言っていることとやっていることが違うことがある」と自覚し、言行一致を目指して訓練を継続すれば、すぐに効果は表れなくても、成長とともに衝動性が原因の失敗は少なくなります

そして、こうした訓練は小学生のうちから行っておくのがよいと思います。

中学生や高校生になってからだと、改善は難しくなります。しかも、中学以降は全体的に「一発勝負」が多く、訓練の過程でいったん低評価になると挽回できず、進路選択で足を引っ張られることも少なくありません。

学校の授業の進度が遅く、一つ一つのことにじっくり取り組める小学生のうちに、言行不一致は矯正しておくのがおすすめです。

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