先日、小学5年生から、算数の計算問題で質問がありました。
小学校で配布されるドリルでは絶対に出てこない質問に対して、僕がどう対応したのかを紹介します。
マイナスの後ろのかっこをどう外すか?
質問された問題は中学受験生向けで、分数や小数を含む四則混合計算でした。
ただ、分数や小数が本質ではないので、簡単な問題に書き換えたのが次の【問題】です。
【問題】20-(5-7)を計算しなさい。
この【問題】では、かっこの中が5-7になっていて、正負の数を習っていない小学生にとっては、「計算できない」が原則です。
とはいえ、問題として存在する以上、「計算できない」で終わらせるわけにもいきません。
そこで、僕は別の【問題1】を生徒に解いてもらいました。
【問題1】20-(10-7)を計算しなさい。
これなら生徒も簡単に計算できます。先に10-7=3を計算して、20-3=17で終わりです。
この後、僕が生徒に考えさせたのは、次のことです。
生徒は20ー10=10を計算した後、7を足せばよいことに気づき、□に+を入れました。
続いて、【問題2】も解いてもらいました。
【問題2】20-(10+7)を計算しなさい。
これも、10+7=17を計算した後、20-17=3で終わりなので、生徒はあっという間に解きました。
この後、上と同じことを生徒に考えさせました。
生徒は20ー10=10を計算した後、7を引けばよいことに気づき、□に-を入れました。
僕は、生徒に簡単な問題で考えてもらった後、最後に次の質問をしました。
生徒は簡単な問題から規則性を見つけて、「マイナスの後ろのかっこを外すとき、+と-が逆になる」と答えました。
ここまで来れば、僕が「同じようにやって」と言うだけで、生徒は冒頭の【問題】も次のように解きました。
もちろん、これで正解です。
今までのやり方で解決できない問題にどう向き合うか?
僕の教え方が正しいのかどうかはわかりません。
もっと別の教え方もあって、そちらの方が適切な可能性もあります。
ただ、僕がここで生徒に伝えたかったのは、マイナスの後ろのかっこの外し方ではありません。
僕が伝えたかったのは、今までのやり方で解決できない問題に出会ったとき、今までのやり方で解決できる問題をもとに規則性を調べ、自力で解決策を見つけてほしい、ということです。
冒頭の【問題】は解けなくても、【問題1】や【問題2】ならば解けます。
【問題1】や【問題2】を解いた後、「マイナスの後ろのかっこを外すには、どうすればいいのか?」と考えてみれば、【問題】を解決する手がかりを得られるはずです。
他の算数の問題でも、小学校で習う範囲を超えている問題だとしても、同じように考えれば、正解にたどり着く方法を自力で見つけられるかもしれません。
同じように考えれば、算数以外の他科目、もっといえば、人生全般における問題も自力で解決できるようになるかもしれません。
僕の言っていることは小学生にはかなり難しいでしょう。全く理解できないことも多々あります。
しかも、僕はこういう話ばかりするので、時として思いっきり嫌われます。辞めた生徒たちのことを思い出す度、心が折れそうになります。
それでも、一人でも二人でも、目の前の生徒がニコニコと頑張ってくれている限り、たとえ今すぐ伝わらなくても、いずれどこかで「あのとき言われたことは、こういうことだったのか!」となってくれることに期待して、いろいろ伝えるようにしています。


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