【数の性質】偶数や奇数はどんな整数?和の法則性や見分け方を考える

みみずく戦略室 数の性質

整数にはさまざまな分類があります。その中でもいちばん基本になるのが偶数と奇数です。今回は、偶数と奇数について詳しく紹介します。

偶数と奇数

0、1、2、3、4、5、…と続く整数のうち、2で割り切れる整数を偶数といいます。「2で割り切れる」とは、2で割った余りが0になるということです。0、2、4、6、…が偶数です。

一方、2で割り切れない整数を奇数といいます。奇数は、2で割ると、必ず余りが1になります。1、3、5、7、…が奇数です。

偶数の列0、2、4、6、…は、ある偶数に2を足すと次の偶数になります(たとえば、2に2を足すと4、4に2を足すと6になります)。同じように、奇数の列1、3、5、7、…も、ある奇数に2を足すと次の奇数になります。つまり、偶数の列と奇数の列は、どちらも2ずつ増えていく数列です。

偶数と奇数の和

偶数は2で割り切れる整数なので、「2の倍数」ということもできます。したがって、nを0以上の整数とすると、偶数は2×nと表されます(□の倍数は「□×整数」で表されます)。

【倍数】最小公倍数の求め方は?素因数分解・すだれ算と判定法を解説
倍数の知識は算数のいろいろな問題を解くときに必要となります。倍数の基本、公倍数の求め方、倍数判定法を理解して使いこなせるようにしましょう。

一方、奇数は2で割ると1余るので、0以上の整数をnとすると2×n+1と表されます。このことから、奇数は「偶数+1」であることがわかります。

ここで、偶数や奇数を足してみましょう。まずは「偶数+偶数」を考えます。2+4=6、14+22=36、8+102=110など、「偶数+偶数=偶数」です。このことを証明すると次の通りです。

【「偶数+偶数=偶数」の証明】

m、nを整数として、2つの偶数を2×m、2×nと表す。

「偶数+偶数」は、2×m+2×n=2×(m+n)

m+nは整数なので2×(m+n)は偶数となり、「偶数+偶数=偶数」である。

※ 2×m+2×n=2×(m+n)は、□×△+□×〇=□×(△+〇)という分配法則を使いました。

このように証明してみると、全ての偶数について「偶数+偶数=偶数」が成り立つことがわかります。

シイタケくん
シイタケくん

そもそも「証明」って何ですか?

エリンギ先生
エリンギ先生

ある事柄が正しいことを明らかにすることを「証明」というよ。中学以降の数学では「~を証明しなさい」という問題もあるんだ。

エノキさん
エノキさん

2+4=6、14+22=36、8+102=110などの例をたくさん出していったら、それで「偶数+偶数=偶数」が正しいことの証明にならないんですか?

エリンギ先生
エリンギ先生

いくらたくさん具体例を出しても、それだけでは全ての整数について「偶数+偶数=偶数」が成り立つかどうかは分からない。だから、どんな整数にもなれるm、nを使った式で説明するんだよ。

同じように考えて、「奇数+奇数=偶数」「偶数+奇数=奇数」です。証明が気になる受験生の皆さんは、以下を参考にしてください。

【「奇数+奇数=偶数」の証明】

m、nを整数として、2つの奇数を2×m+1、2×n+1と表す。

「奇数+奇数」は、(2×m+1)+(2×n+1)=2×m+2×n+2=2×(m+n+1)

m+n+1は整数なので2×(m+n+1)は偶数となり、「奇数+奇数=偶数」である。

【「偶数+奇数=奇数」の証明】

m、nを整数として、偶数を2×m、奇数を2×n+1と表す。

「偶数+奇数」は、2×m+(2×n+1)=2×m+2×n+1=2×(m+n)+1

m+nは整数なので2×(m+n)+1は奇数となり、「偶数+奇数=奇数」である。

偶数と奇数の見分け方

ある整数に偶数をかけると、その結果は必ず偶数になります。

3、4、5に偶数の2をかけると、それぞれ6、8、10となります。6、8、10は全て偶数です。このことから、かけ算の結果が奇数になるのは「奇数×奇数」の場合だけだということもわかります。

ここで、2ケタ以上の整数について考えましょう。たとえば、23は2+3ではなく、2×10+3です。765は7×100+6×10+5です。つまり、2ケタ以上の整数は、「一の位の数+十の位の数×10+百の位の数×100+…」と表されます。

10、100、1000、…は偶数なので、2ケタ以上の整数は、十の位より上の位が全て「整数×偶数=偶数」になります。したがって、2ケタ以上の整数が偶数か奇数かを見分けるには、一の位を見ればよいとわかります。

一の位が偶数の整数は偶数で、一の位が奇数の整数は奇数です。345は一の位が奇数の5なので奇数ですが、5678は一の位が偶数の8なので偶数です。

偶数か奇数かを意識する

偶数や奇数が問題となることはあまりありません。しかし、算数の問題を解くときは、数字が偶数か奇数かを意識するといいでしょう。分数を約分するときや比を簡単にするときなどは、全ての数字が偶数ならば必ず2で割り切れるからです。こうした気づきがとても大切です。

次の質問に答えましょう。(解答例は最後のページにあります)

① 偶数はどのような数ですか。また、奇数はどのような数ですか。

② nを0以上の整数とすると、偶数はnを使ってどのように表されますか。また、奇数はnを使ってどのように表されますか。

③ 偶数や奇数を足すとどのような結果になりますか。

④ ある整数が偶数か奇数かを見分けるにはどうしますか。

コメント

  1. 絵本まち有田川 より:

    数直線を『自然比矩形』の横辺の繋がりで観てみると、
    偶数と奇数の交互に顕れるのは、数直線に隠された図形パターンで眺望する。

    『へこんだながしかく』と『ちいさなふくらんださんかく』で『自然比矩形』(『ながしかく』)が創られている。

    『自然比矩形』の上横辺の回転体、下横辺の回転体として数直線を観ると、
    『創発カルデラ体』『創発釣り鐘体』と交互に繋がっている。

    『へこんだながしかく』は、『コニーデがた』とし
    『ちいさなふくらんださんかく』は、『つりがねがた』といて
    帯状に進んでいく。

    『自然比矩形』(『ながしかく』)の左縦辺は、加減を
    右縦辺は、乗除を内在秩序を秘めたコトを、
    それぞれに『コニーデがた』と『つりがねがた』に連続性を眺望したい。

    自然数は、[絵本][もろはのつるぎ]で・・・

    なお 『創発釣り鐘体』( (eー2)π )の体積は、 2.25・・・  なので
    2月25日を『自然数の日』に・・・  

  2. 式神自然数 より:

    『HHNI眺望』で観る自然数の絵本あり。
    有田川町電子書籍 「もろはのつるぎ」

    御講評をお願いします。

    時間軸の数直線は、『幻のマスキングテープ』に・・・
    『かおすのくにのかたなかーど』から・・・

  3. √6意味知ってると舌安泰 より:

     ヒフミヨは√矩形で渦巻に

    進み行く数の言葉ヒフミヨ(1234)を[四角]の『半分こ原理?』で観てみたい。
    正方形の半分この対角線に1を立てて、【白銀比長方形】
    【白銀比長方形】の半分この対角線に1を立てて、【白金比長方形】
    【白金比長方形】の半分この対角線に1を立てて、【1×2の長方形】
    【1×2の長方形】の半分この対角線に1を立てて、【1×√5の長方形】
    ・・・・・・
    ・・・・・・
    この1を立てた点を繋ぐ渦巻を、『ヒフミヨ渦巻』と呼び、一連の長方形は、『ヒフミヨ長方形』と呼びたい。

     半分この直角三角形の√の中同士の平方の理は、進み行く自然数の風景に・・・

        (1)+(n)=(n+1)

     この物語の風景は、3冊の絵本で・・・
     絵本「哲学してみる」
     絵本「わのくにのひふみよ」
     絵本「もろはのつるぎ」

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