親子の信頼関係が素直な子供を育てる!小学生の躾で失敗しないために

みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記 生徒・保護者

生徒宅にお邪魔する家庭教師は、生徒とその保護者の関係を目の当たりにします。そうすると、家庭の事情がもろに見えてきます。

中でも「保護者が子どもと上手く付き合っている」と感心させられる家庭もあります。そうした家庭の共通点を紹介します。「勉強しなさい」とガミガミ言わないなど、ありきたりなことではなく、もっと本質的なこと(だと僕が思うこと)に言及します。

もっとも、本記事の内容は、あくまでも僕の経験に基づいています。必ずしも全ての家庭に当てはまるわけではないことをお断りしておきます。

子どもと上手く付き合っている保護者の共通点

子どもと上手く付き合っている保護者に共通してみられるのは次の2点です。

  1. 子どもの個性や気持ちに遠慮することなく、やるべきことをきちんとやらせる。
  2. 行動の過程ではなく結果を評価し、結果を出せない子どもにペナルティを課す。

それぞれを具体的に見ていきましょう。

遠慮せずに配慮する

子どもの個性や気持ちに遠慮することなく、やるべきことをきちんとやらせる。

世の中には、とても個性の強い子どもがたくさんいます。いわゆる「障害」と認定されるレベルの子どももいれば、「拘りが強い」「動作が遅い」などの性格が顕著な子どももいます。

また、子どもは、日々さまざまなことを経験します。「学校で友達とケンカした」のような一時的なトラブルから、「身近な人が亡くなった」のようなトラウマになる経験まで、子どもであっても嫌なことに直面する機会は少なくありません。そうすると、子どもの感情は大きく揺れ動きます。

子どもに振り回される保護者

子どもの個性や感情に振り回される保護者は子どもに遠慮します。そういう保護者は、子どもが失敗したり悪さをしたりした際、「うちの子どもは●●だから▲▲できないのは仕方ないんです」と言いながらその失敗を許容します。

●●は、子どもの個性であったり、子どもが経験した悲惨な体験だったりします。子どもの失敗(悪さ)の原因を、「どうにもならないこと」に転嫁するわけですね。

子どもが保護者の言うことを聞かない家庭に限って、保護者、特に母親が、こういうセリフを決まり文句のように口にします。

しかし、そうやって子どもに遠慮することは、子どもを増長させるだけです。

「遠慮」と「配慮」の違い

子どもの個性や気持ちに配慮することは大切です。しかし、「遠慮」と「配慮」を混同するのはよくありません。

というわけで、まずは、「遠慮」と「配慮」の辞書的な意味を確認します(辞書の意味はグーグルで検索した結果です)。

「遠慮」は、「他人に対して、言葉や行動をひかえめにすること。」とあります。本来言うべきことを言わないことなどは「遠慮」に含まれますね。

一方、「配慮」は、「あれこれと心をくばること。」とあります。本来言うべきことを相手の状況に合わせて言い換えるのは「配慮」になるでしょう。

以上を踏まえて、子どもが学校で友達とケンカして落ち込んでいて宿題になかなか取り組めない、というケースを考えてみましょう。

子どもに遠慮する保護者

子どもに遠慮する保護者は、「辛い思いをしたんだから、宿題ができないのは仕方ないよね」と言います。

このように保護者が遠慮しがちだと、子どもはどんどんわがままになっていきます。宿題をやらない理由が、「友達とケンカしたから」から「体調が悪いから」になり、挙句「今日は気が乗らないから」になってしまいます。

保護者は、いったん遠慮してしまうと、子どもが増長しても「それ以上は認めない」となかなか言えません。そこに子どもはつけこんで、暴君さながらにふるまうんですね。

子どもに配慮する保護者

子どもに配慮する保護者は、「学校では辛かったよね。その気持ち分かるよ。でも、宿題はきちんとやらないといけないよね」と言います。「嫌な出来事」と「やるべきこと」を明確に区別し、前者をいたわりつつも後者をきちんとこなすように促すのです。

このような保護者に育てられた子どもは、大人の言うことをある程度素直に聞きます。学校などでもあまり問題を起こしません。身近な大人である保護者が適切な対応をするため、彼らは大人に対する信頼を失わないからです。

過程ではなく結果で評価する

いくら保護者が子どもに配慮しても、子どもは保護者の思い通りには動いてくれません。そのときに保護者がどういう対応をするのかが、親子関係にも影響します。

子どもが宿題をしなかった場合を例として、子どもと上手く付き合っている保護者には次の特徴があります。

行動の過程ではなく結果を評価し、結果を出せない子どもにペナルティを課す。

子どもと上手く付き合っている保護者は、子どもが宿題をしなかった場合、怒鳴ったり説教したりするのではなく、淡々と物理的なペナルティを課します。物理的なペナルティというのは、宿題が終わるまで食事をさせないとか、約束を破ったらゲームを没収するとかです。

結果で評価する厳しさ

保護者が評価するのは、あくまでも子どもの行動の結果です。ペナルティを課す場合も解除する場合もです。「宿題は終わってないけど1時間頑張ったから食事にしていいよ」というように、過程を見て評価することはありません。

子どもが何と言おうとも、どんなに頑張っている素振りを見せようとも、「宿題が終わってないなら食べちゃダメ!」を徹底します。怒鳴ったり説教したりしない代わり、「結果が出ない限りペナルティを解除しない」という厳しさを示しているわけです。

子どもは、中途半端な行動ではペナルティが解除されないと分かると、目の色を変えて必死に物事に取り組みます。

子どもにペナルティを課すメリット

もちろん、子どもによってはどうしてもできないことがあります。それにまでペナルティを課すのはただの虐待です。しかし、「宿題をやる」「暗記物を覚えきる」など、ほとんどの子どもができることなら、賞罰をもって子どもを管理することにはメリットがあります。

適切にペナルティを課す保護者のもとで育った子どもは、中途半端な行動で妥協することなく、最後まで粘り強く、工夫しながら、自力で物事に取り組む姿勢が身に付きます(そうしないとペナルティを課されるから)。

彼らは、成長する過程で、自分の中に規律を作って自らを律していくようになります。そして、最終的には、ペナルティ無しでも、自分のすべきことをきちんとこなす大人になるんですね。

躾は小学生のうちに

ここまでで紹介した2点が見られる家庭の多くでは親子関係が円滑です。子どもは大人に対して無意味な反抗をせず、学校などにもうまく適応して生活しています。

とはいえ、1や2のような躾は、子どもが小学生のうちにこそ徹底すべきです。小学生の子どもをさんざん甘やかしてしまった場合、後から1や2を実施しても手遅れです。

中学生や高校生になった子どもに保護者が急に厳しくすると、自我が芽生えた子どもの反感を招きます。そうなってしまうと、保護者は別のアプローチを考えなければなりません。これは、保護者にとって、非常に大変なことです。

トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ

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