境港妖怪検定上級合格の証と水木しげる先生の訃報が伝える大事なこと

みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記コラム
境港妖怪検定上級の合格証書とピンバッヂ

2015年11月30日、水木しげる先生が死去しました。享年93歳。

水木先生は、『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』などの作者であり、漫画家としてだけでなく、妖怪研究家・妖怪絵師としても妖怪ブームを牽引してきました。ぬりかべや一反木綿、べとべとさんなど、目に見えない妖怪に姿を与え、妖怪を親しみやすくした功績は計り知れません。「水木しげる」は、今や日本の文化です。

水木しげるロード

水木夫妻のブロンズ像

時代の生き証人だった水木しげる先生

水木先生は、太平洋戦争中のニューブリテン島で左腕を切断するなど、過酷な戦争体験を経て生還し、戦後も紙芝居時代、貸本時代と貧しい生活を送りました。1965年、『テレビくん』が第4回講談社児童漫画賞を受賞。世間的な評価を得たときは既に45歳。苦労人です。

水木先生は、戦争の語り部であり時代の生き証人でもありました。そんな先生の語る死生観や人生訓、中でも「幸福の七か条」は、多くの人々に支持されています。

水木しげるロード

水木しげる先生の訃報に日本中が涙した日、僕の手元に一通の封書が届きました。送り主は境港商工会議所。封書の中身は、「境港妖怪検定」上級合格を証明する合格証書と「妖怪博士」ピンバッヂ(赤)でした。

2015年、妖怪検定受験のため鳥取県境港市へ

「第10回境港妖怪検定」は、2015年10月25日に実施されました。会場は、鳥取県境港市と東京都調布市。初級と中級は両会場で受験できますが、上級は境港会場でしか受験できません。そのため、僕は鳥取県へ飛びました。

境港妖怪検定上級受験は3回目の挑戦。過去2回の不合格に涙を呑み、「今年こそは!」と闘志を胸に境港の地へ――というのは大嘘。もはや毎年恒例の観光旅行ですね(笑)。

鳥取県の隣の島根県は、10月が神在月。日本全国から神様が大集合します。出雲大社参拝にもちょうど良い季節。妖怪検定受験のついでに出雲大社と松江市を観光する、という定番の流れです。

というわけで、メインイベントである妖怪検定受験のため、会場の境港商工会議所へ。

境港商工会議所

2015年の境港妖怪検定上級の問題は?

境港妖怪検定上級は論文試験です。テーマが2題与えられて、そのうちの1つを選択して1200字の論文を120分で書き上げます。大学の試験や入試・就活の論文試験みたいですね。

上級の合格率は10%前後。例年25人くらいの受験者がいて、合格するのは1人か2人。かなりの難関です。

そんな上級試験を僕は受験してきました。2015年のテーマは次の2題。

  • 妖怪の立場で境港市の「まちづくり」を提言。
  • 妖怪が起こしたとされる天変地異について考察。

2013年の不合格以来、「上級受験のために勉強しない!」と心に決めた僕は、今回もノー勉!(というか、いつも勉強を始めるのが遅過ぎて間に合わない(笑))

いや、申し訳程度に『昔話の考古学―山姥と縄文の女神』という新書を読みましたとも!本当にサラッと流し読みしましたよ!!

が、試験問題を見た瞬間に、新書の内容をきれいさっぱり忘れました。山姥よ、さらば!!

昔話の考古学―山姥と縄文の女神 (中公新書)

中古価格
¥1から
(2018/4/6 10:37時点)

提灯小僧になり切って境港の「まちづくり」を提言

僕は毎年境港市に泊まります。そのため、水木しげるロードの朝、昼、夜の全ての顔を知っています。中でも魅力的なのが夜の水木しげるロード。

水木しげるロード

河童の泉

ちょうどよい感覚で設置された街灯に照らされて、妖怪のブロンズ像たちが闇に浮かび上がっています。その美しさ・楽しさを伝える文章を書きたい!!というわけで、僕は「まちづくり」を選択しました。

「妖怪の立場で」とあるので、宮城県の妖怪・提灯小僧になり切ろうと思いました。夜道で悪戯する妖怪のイメージにピッタリだし、僕の地元のPRにもなるし……。僕は一人でニヤリとしました。

水木しげるロード

提灯小僧

今や仙台の街は明る過ぎて、提灯小僧の僕は居場所を無くしてしまった。そんな僕は鳥取県境港市へ来て、ほどよく闇の残っている夜の雰囲気を気に入った。でも、夜の水木しげるロードには人がいない。とてももったいないことだと思う。

論文試験ですが、堅苦しい言葉遣いは一切無し。妖怪に関する薀蓄も一切無し。僕は、水木しげるロードに何度も宿泊して感じてきたことを、提灯小僧っぽい口調で熱く語りました。熱くなるあまり誤字ったのは内緒の話 (試験終了数秒前に誤字に気づき、修正できずに答案を提出しました(笑))。

境港の地元妖怪・お種さんの力を借りる

論文では、境港の地元妖怪・お種さんを紹介しました。

境港の地元妖怪・お種さん

境港の地元妖怪・お種さん

境港駅の踏切近くに地元妖怪・お種さんの祠があるんだ。お種さんは、夜道で悪戯をする女狐の妖怪だ。でも、今では地元の人たちにもその存在を忘れられている。それはとても寂しいことだ。境港市には、お種さんのような地元妖怪が他にもたくさんいるはず。地元妖怪たちと水木しげるロードの妖怪たちが手を取り合えば、もっと多くの人たちに境港市を知ってもらうきっかけになると思う。

夜の水木しげるロード、夜の境港市を舞台に、「妖怪」をきっかけにたくさんのつながりが生まれればいいなぁ、という思いを僕は論文に込めました。

ちょうど東東京で活動する「妖店百貨展」を取材した直後だったため、「妖怪」をテーマにした「まちづくり」に僕は関心を寄せていました。そんな時期に書いた論文ですから、思い入れは十分。とはいえ、「合格は無理!!」と試験終了後は清々しい気持ちでした。

コメント

  1. ひかり より:

    はじめまして

    ひかりと申します

    私は今年、三回目の上級にチャレンジです

    なにを勉強すればいいのかわからなくなっていましたが、みみずくさんの記事に励まされました
    今年こそ、合格を目指しがんばります

    • みみずくみみずく より:

      ひかりさん、はじめまして。

      妖怪検定上級は難しいですよね。
      まじめな論文を書いても受からないというのがまた何とも……(笑)
      「読んでくれた人が楽しくなるように」を心がけて書くといいような気がします。
      僕のお師匠さんであるぬらりひょん打田さん(初代上級合格者)も、いつも楽しそうに妖怪を語っています。

      上級に求められるのは、高度な知識ではなく、妖怪&人間に対する愛だと思います!

      今年は仕事の関係上、僕は上級受験には行けません。
      僕の代わりに、妖怪検定を楽しんできてください。
      応援しています!!

タイトルとURLをコピーしました