「読むのが遅い」を克服し要約力もアップ!具体例を読み流しなさい!

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具体例を読み流す練習

具体例を読み流す読解テクニックの練習として、寺田寅彦「科学上の骨董趣味と温故知新」の冒頭を読んでみましょう。

骨董趣味とは主として古美術品の翫賞(がんしょう)に関して現われる一種の不純な趣味であって、純粋な芸術的の趣味とは自ずから区別さるべきものである。古画や器物などに「時」の手が加わって一種の「味」が生じる。あるいは時代の匂というようなものが生じる。またその品物の製作者やその時代に関する歴史的聯想も加わる。あるいは昔の所蔵者が有名な人であった場合にはその人に関する聯想が骨董的の価値を高める事もある。あるいはまた単にその物が古いために現今稀有である、類品が少ないという考えに伴う愛着の念が主要な点になる事もある。この趣味に附帯して生ずる不純な趣味としては、かような珍品をどこからか掘出して来て人に誇るという傾向も見受けられる。この点において骨董趣味はまたいわゆる蒐集趣味と共有な点がある。マッチの貼紙や切手を集めあるいはボタンを集め、達磨(だるま)を集め、甚だしきは蜜柑の皮を蒐集するがごとき、これらは必ずしも時代の新旧とは関係はないが、珍しいものを集めて自ら楽しみ人に誇るという点はやはり骨董趣味と共通である。

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具体例とそれ以外を分ける

具体例とそれ以外とを分けてみます。

まず、1文目は「骨董趣味」の説明ですから、本文のテーマ全体を説明しています。したがって、具体例ではありません。

2文目以降では、「骨董趣味」の種類を挙げていきます。これら1つ1つは「骨董趣味」全体の説明ではありません。したがって、2文目以降は具体例であると判断できます。

では、具体例はどこまででしょうか?

どんどん読み進めていくと、最後から2文目に「骨董趣味」という言葉が再登場します。ここは、「骨董趣味」全体の説明です。したがって、具体例ではありません。

最後の文にも「骨董趣味」という言葉がありますが、その前では「マッチの張り紙や切手」等の蒐集について書かれています。これらは「蒐集趣味」の具体例に過ぎません。

以上から、この文章で大切なところは、1文目と最後から2文目だけだと分かります。

要約する

具体例とそれ以外を分けた後は、文章を要約してみるといいでしょう。

寺田寅彦『科学上の骨董趣味と温故知新』の冒頭は、具体例でない文はたったの2文です。この2文をまとめてつなげれば、次のような要約の感性です。

骨董趣味は不純な趣味で、純粋な芸術的の趣味とは区別され、蒐集趣味と共有な点がある。

具体例を削ぎ落すと、ここまで簡潔に文章をまとめられます。このように、長い文章を要約する訓練を続けていくと、読解力だけでなく、記述力も飛躍的に伸びます。

一生もののテクニック

具体例を読み流す読解テクニックは、受験だけでなく、大学生や社会人になっても使えます。また、文章読解に限らず、長話の中から要点だけを聞き取る上でも役立ちます。

中高生の皆さんは、入試国語(現代文)の勉強を通して、一生もののテクニックを習得しましょう。

トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ / モデル=河村友歌

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