作文の具体例や体験談から無駄を省く!ゴミ問題の意見文を書き直そう

みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記 小論文・作文

作文では具体例や体験談が大切です。とはいえ、何でもかんでも詳しく書けばいいというわけではありません。このことを勘違いしている生徒がたくさんいます。

今回は、無駄の多い作文を書き直すことを通して、無駄なことを書かないための3STEPを紹介します。

無駄なことばかり書かれた悪文とは?

「ゴミ問題」というテーマで、二百字以内の意見文を書きなさい。
【答案例】
中学二年の三学期、私は母と一緒にフリーマーケットに出店した。会場となった川沿いの公園には、大人から子どもまでたくさんの人たちが遊びに来ていた。客と出店者の会話も盛んで、とても楽しい雰囲気だった。私は商品が売れるかどうか不安だったが、思った以上にいろいろ売れた。小学生の女の子が服を買ってくれたのは嬉しかった。
フリーマーケットの経験を通して、私はゴミ問題について改めて考えさせられた。

【答案例】には、具体的な情報がたくさん盛り込まれています。しかし、それらの情報のほとんどが不要です。「ゴミ問題」の例としてフリーマーケットを上げるのはいいのですが、肝心の「ゴミ問題」については何も書かれていません。

たった二百字しか書けない作文では、何も考えずに書き始めると、【答案例】のように無駄なことばかり書かれた悪文になります。

無駄なことを書かないための3STEP

二百字程度の短い作文では、無駄なことを書かないための3STEPを意識しながら、具体例や体験談を書きましょう。

【STEP 1】結論を膨らませる

作文を書き始める前に結論を決め、その結論を念頭に置いて体験談を書きましょう。

【答案例】の結論は、「フリーマーケットの経験を通して、私はゴミ問題について改めて考えさせられた。」です。

「ゴミ問題について改めて考えさせられた」こととは一体何なのでしょうか?

たとえば、フリーマーケットは、経済産業省も推進する「3R」のうちの「リユース」(再使用)と関係します。リユースはゴミの排出量の抑制につながります。このことを踏まえて、【答案例】の結論を次のように膨らませます。

フリーマーケットは3Rのうちのリユースに当たり、ゴミの量を減らすことにもつながる。一人一人がリユースの意識を持てば、ゴミ問題が深刻にはならないはずだ。

こうして書き換えた結論を踏まえて、次に情報の取捨選択をします。

【STEP 2】結論に関係のない情報を削る

頭の中に浮かぶさまざまな情報のうち、結論に関係のない情報は削りましょう。【答案例】では、以下の情報が全て不要です。

  • 中学二年の三学期
  • 会場となった川沿いの公園には、大人から子どもまでたくさんの人たちが遊びに来ていた。
  • 客と出店者の会話も盛んで、とても楽しい雰囲気だった。

フリーマーケットがいつどこで開催されたか、フリーマーケットがどんな雰囲気だったかなどは、結論に一切関係ありません。

また、「……だが、~~」の「……だが」の部分も基本的に不要です。「私にはよく分からないが」「頑張れるかどうか自信がないが」などのマイナス表現は、単なる字数稼ぎにしかならない上、採点者に余計な不安を与えます。

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というわけで、【答案例】では、次の部分も削除します。

私は商品が売れるかどうか不安だったが、

不要な情報をどんどん削っていくと、字数が大幅に余ってしまいます。その字数を埋めるのが次のステップです。

【STEP 3】結論に関係のある情報を詳しく書く

結論に関係のある情報を詳しく書きましょう。実際に【答案例】を修正してみます。

【答案例・修正バージョン】
先日、私は母と一緒にフリーマーケットに出店した。このとき、サイズアウトした私の服を小学生の女の子が買ってくれた。私にとっての不用品も、他の人の手に渡って再利用される。こうして人と物が出会うことで、物を長く大切に使う気持ちが生まれるのだろう。
フリーマーケットは3Rのうちのリユースに当たり、ゴミの量を減らすことにもつながる。一人一人がリユースの意識を持てば、ゴミ問題が深刻にはならないはずだ。

結論のうち、「フリーマーケットは3Rのうちのリユースに当た」る例として、「サイズアウトした私の服を小学生の女の子が買ってくれた」ことを書きました。また、「リユースの意識」を「物を長く大切に使う気持ち」と言い換えています。このように結論を補強する例を一段落に盛り込みます。

作文や小論文では結論を先に決める

作文や小論文では、結論を先に決めることが大切です。その結論から逆算して体験談や具体例を考えれば、無駄なことを作文に書かなくなります。

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