算数のノートまとめで記述問題対策!中学受験生は途中式や図を書こう

ノートの作り方で合否が決まる!普段の勉強で記述問題対策もばっちり 勉強法

最近の中学入試では、答だけでなく途中式などを書かせる記述問題が増えてきました。それにもかかわらず、受験生(やその保護者)の多くは、今も「記述問題の練習は最後にやればいいや」と考えています。

たしかに、優秀な受験生ならば、小学6年の夏休み明けから記述問題の答案を書く練習をしても間に合うでしょう。しかし、ほとんどの受験生は、それでは間に合いません。

こうした理由から、記述問題を出題する中学を将来受験したいと考える受験生は、普段の算数の勉強で途中式や図などを書くようにしましょう。書くことがそのまま記述問題の対策にもなるからです。

今回は、記述答案を書く練習にもなるノートまとめのコツを紹介します。

ノートを選ぶことからスタートしよう

まずはノートを選ぶことからスタートです。ノートには、大きく分けて次の3種類があります。

  • マス目のあるノート
  • 横線が引いてあるだけのノート
  • 無地のノート

小学校の授業では、マス目のあるノートを使うことが多いでしょう。『ジャポニカ学習帳』にはさまざまなタイプのノートがあります。

横線が引いてあるだけのノートは、中学以降で使うことの多い大学ノートです。ノートといえば、普通はこの大学ノートのことです。

無地のノートの代表は自由帳です。マス目も線もない真っ白なページをとじたノートです。

普段の算数の勉強では、小学4年まではマス目のあるノートを、5年では横線が引いてあるだけのノートを、6年では無地のノートを使うといいでしょう。実際の入試では、マス目も線もない白紙に途中式や図などを書いていきます。そのため、最終的には、白紙に記述できるようにする必要があります。

シイタケくん
シイタケくん

無地のノートにきれいに書くのって、難しくないですか?

エリンギ先生
エリンギ先生

だからこそ、普段の勉強で無地のノートを使って練習するんだ。無地のノートを使いこなせるようになれば、白紙の解答欄にもきれいに書けるようになるよ。

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ノートまとめのコツはマス目を利用すること

ノートまとめのコツを解説します。

マス目のあるノートを使う場合は、マス目を利用して書きます。数字や文字は、基本的に1マス1文字とします。また、図形を描くときは、マス目の角や線に合わせて描きます。

次の【悪い例】と【良い例】を見比べてみましょう。

算数のノートまとめで記述問題対策!中学受験生は途中式や図を書こう

【悪い例】では、マス目を無視して数字や文字を書いています。1マスの1文字入っていたり2文字入っていたりします。字の大きさがバラバラで、斜めになっている字もあります。また、三角形ABCの図も、頂点A、B、Cがマス目の角と対応していませんし、底辺と高さがマス目の線を無視したものになっています。

一方、【良い例】では、1マス1文字になっていて、字の大きさもそろっています。また、三角形ABCの図は、頂点A、B、Cがマス目の角と対応していて、底辺と高さの線はマス目の線をなぞっています。

【良い例】のように、規則正しく数字や文字、図形を書くことが大切です。ただし、分数を書く場合や文字の折り返しがおかしくなる場合などは、マス目に合わせないで書くといいでしょう(下の図を参考にしてください)。

算数のノートまとめで記述問題対策!中学受験生は途中式や図を書こう

横線が引いてあるだけのノートや無地のノートを使う場合も、マス目のあるノートと同じように書きましょう。

算数のノートまとめで記述問題対策!中学受験生は途中式や図を書こう

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エノキさん
エノキさん

図形を描くときは、定規やコンパスを使ってもいいんですか?

エリンギ先生
エリンギ先生

できるだけ定規やコンパスを使わない方がいいよ。フリーハンドできれいに多角形や円を描けるようになれば、解答を作る時間を短縮できるからね。

解答欄に、必要な情報を過不足なく書く

入試本番では、与えられた解答欄に、必要な情報を過不足なく書く必要があります。この必要な情報を途中式だと考えていると失敗します。

必要な情報とは、大きく分けて次の3つです。

  • 式や数値が何を表しているかを示す説明
  • 答を導くために作った式
  • 問題を解くのに使った図や表

これらの書き方について解説します。

式や数値が何を表しているかを示す情報

式や数値が何を表しているかを示す説明は、「太郎君の歩く速さ」や「三角形ABCの底辺」など、式や数値が表しているものを日本語で書きます。問題集の解説では次のように書かれていますが、これはダメです。

3×40=120 … 全体の仕事量

日本語を後に書くと、式や数値が何を表しているのかが途中で分からなくなることがあります。また、途中で計算につまった場合、「何を求めようとしたのか?」を書かないことになって、部分点をもらえるチャンスを逃します。こうした理由から、次のように、式の前に説明を書きましょう。

全体の仕事量は、3×40=120

答を導くために作った式

答を導くために作った式を書く場合、入試本番では、全ての途中式を書く必要はありません。全ての式変形や筆算まで書いていたら解答欄がぐちゃぐちゃになりますし、場合によっては必要なことを書けなくなります。式の取捨選択も大切です。

解答欄に書くべき式は次の2つです。

  • 公式などに当てはめた直後の式
  • 特殊な変形をした直後の式

公式などに当てはめた直後の式とは、たとえば錐体の体積公式「底面積×高さ÷3」に数値を当てはめて作った「6×6×3.14×5÷3」のような式です。この式を変形した途中式「60×3.14」などは答案に書く必要はありません。

また、特殊な変形をした直後の式とは、たとえば「□:3=5:7」という比を変形した「□×7=3×5」のような式です。この後の「□=15÷7」などは要りません。

ただし、普段の勉強では、できるだけ途中式や筆算を全て書き残しておくといいでしょう。というのも、答え合わせのとき、まちがいや計算ミスの原因をはっきりさせる上で途中式を見直すことが大切だからです。

問題を解くのに使った図や表

面積図や線分図、ダイヤグラム、抜き書きした図形、表、ベン図など、問題の中に既にある図や表以外を解答欄の右側に描きます。図や表をあちこちに描くと答案が見づらくなるので、右側に描くのを原則としましょう。

実際にノートまとめをしてみよう

実際にノートまとめを行うと次のようになります。

算数のノートまとめで記述問題対策!中学受験生は途中式や図を書こう

図の中に赤でいろいろ書きこみました。これらの注意点をもう少し詳しく説明します。

ノートの右側にメモ欄を作る

ノートの右側に線を引いて、この右の欄をメモ欄にします。メモ欄には、解答欄に必要のない途中式や筆算などを書き残しておきます。また、答え合わせのとき、まちがいの原因をはっきりさせて書き込んだり、問題集の例題や類題のページをメモしたりするのもいいでしょう。

余白を多めに取る

ノートに文字や式をつめて書く生徒がいますが、これは良くありません。ノートを書くときは、余白を多めに取ることが大切です。

上の図だと、日本語の文章と式の間は1行ずつ空いています。このように空けておくと、消しゴムで消したときに上や下の行を一緒に消してしまうのを防げます。後で足りない情報を書き足すこともできます。

また、式は日本語より1マス分右に書いています。こうすると、日本語と式とが区別されて見やすくなります。答案はあくまでも採点者に見せるためのものです。普段から「見せること」を意識しましょう。

シイタケくん
シイタケくん

余白が多いとノートがもったいない気がします……

エリンギ先生
エリンギ先生

そんなこと言わずに余白を多めに取ろう。勉強ができるようになりたければ、ノートをケチらないことも大切だ。

答には線を引く

答には線を引くなどして、「ここで解答が終わりです」ということをはっきり示します。実際の入試では、答を書く欄は別に与えられます。その欄に書いた答に写しまちがいがないかどうかを見直す場合も、線が引いてあるとチェックが簡単です。

将来も役立つノートの取り方を身に付けよう

ここまでで紹介したノートの取り方を普段からきちんと行っていれば、入試直前になって慌てて記述答案を書く練習をする必要はありません。いつも通りに問題を解いていけば、それがそのまま立派な記述答案になるからです。

また、普段の算数の勉強でていねいに書くことを心がけていれば、中学高校の数学にもすんなりなじめます。せっかく中学受験をするのですから、将来も役立つノートまとめのコツを身に付けましょう。

トップ画像=写真AC

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