小中学生の算数・数学には、定規を使って直線のグラフを描く問題や作図する問題があります。理科では、実験結果の表からグラフを描かなければならないこともあります。
こうした作業で上手く直線を描けない生徒たちがいます。彼らが描く直線は、ある点を通るはずなのにその点からずれてしまいます。
本記事では、彼らが上手く直線を描けない理由を明らかにして、具体的な対策を紹介します。
「直線が2点からずれてしまう」という悩み
2点A、Bを通る直線を描く場合、「直線が2点からずれてしまう」と悩む生徒たちがいます。彼らが描いた直線は、以下のように、2点A、Bより少し上を通っています。
ずれは大したことないように思われるかもしれません。
しかし、実際の試験では答案用紙の解答欄が小さいため、このくらいずれると、グラフや図形がかなり不正確になります。描いた線が通るべき点を通らず、本来通らないはずの点を通っていたら×です。
こうした悩みを抱える生徒に対しては具体的な改善策を伝える必要があります。
直線が2点からずれるのはどうして?
点からずれた直線を描く生徒たちの多くは、以下のように定規を置きます。
これが、点から直線がずれる原因です。定規を点の上に置いた状態で直線を引くと、その直線は点の中心を通りません。だから、点の上を通る直線は、点から離れれば離れるほど大きなずれとなってしまいます。
では、ずれない直線を描くには、定規をどう置けばよいのでしょうか?
以下のように、点の下に定規を置けばいいだけです。
この状態で直線を引けば、その直線は点の中心を通ります。このことを知った生徒は、定規を使ってグラフや図形を正確に描けるようになります。
必要なのは精神論でなく具体的な対策
不正確なグラフや図形を描く生徒に対して、学校の先生や保護者は「ていねいに描きなさい」「注意深く描きなさい」と言いがちです。しかし、「ていねいに」「注意深く」などの精神論では、生徒の悩みは解決しません。
特に、最近の生徒たちは、絵を描いたり工作したりすることが少ないからか、道具の使い方や作図の工夫などに考えが至らない場合が多いようです。大人が思っている以上に、彼らは不器用です。
また、そもそも直線を描いたはずなのにその直線にでこぼこが見られる場合は、定規自体に問題があると考えられます。
たとえば、プラスチック製の定規にカッターを当てて使うと、カッターで定規の一部が削り取られてギザギザになります。こういう定規では直線を引けません。
定規自体に問題がある場合は、新しい定規に買い替える必要があります。
![]() | 新品価格 |
生徒たちの「できない」原因を見極め、それを合理的に克服させる具体的な対策を教えるのが大人の役割です。
トップ画像=Pixabay
コメント