現在自分が関わっている業界に嫌気が差したら、別の業界へ移ることも視野に入れて転職活動を行うことになるでしょう。
今回は、そんな異業種への転職で役立つ志望動機の書き方を紹介します。ポイントは「即戦力として会社に貢献できることをPRする」です。
ブラック企業を退職して異業種への転職を決意する
今回登場する妖怪も小豆洗いです。

3年前、小豆洗いは製菓会社「こまめ」に無事就職し、希望通り「こまめどら焼き」の製造部門に配属されました。しかし、そこで衝撃の事実を知ることに…。
こまめどら焼きの原料は「国産小豆」と表記されていますが、実際には外国産の輸入小豆が使用されていたんです!
小豆洗いはこのことを上司に相談しましたが、「会社の方針に口を出すな!」と一蹴されます。挙句、嫌がらせのような人事異動で、2年目には店頭販売員にされてしまいました。こまめはブラック企業だったんですね。
その後、こまめの原料偽装がリークされてマスコミに報じられ、ロングセラー商品のこまめどら焼きをはじめ、菓子類全般の売上が大幅ダウン。昨年、こまめが経営悪化を理由にリストラに着手したので、小豆洗いは退職を決意しました。
原料偽装に失望した小豆洗いは、菓子業界とは全く関係のない会社への転職を希望します。今回の応募先は、ウォーターサーバーを販売する会社「ウンディーネ」!
どのような志望動機を書けばいいのでしょうか?



特技や経験が役立つことを志望動機で強調する
転職の志望動機でも、以前解説した「具体的に書く」と「仕事とのつながりを書く」が重要です。

むしろ、初めて就職する場合の志望動機以上に、これら2点を意識する必要があります。
「則戦略になるかどうか?」の視点から出発する
一般的に、転職志望者に企業が求めるのは「即戦力になるかどうか?」です。そのため、志望動機は「貴社にとって役立つ特技や経験を持っています」から出発するといいでしょう。
具体的には「私は、お客様の購買意欲に火をつけることを得意とします。」を志望動機の1文目とします。
店頭販売員としての経験や実績を箇条書きする
志望動機の1文目が決まったところで、店頭販売員としての経験や実績などを箇条書きしてみましょう。
小豆洗いがウンディーネへの転職を希望する場合、営業に近い要素をピックアップして強調します。こまめに就職したときのように、小豆の洗い方やお菓子作りのノウハウを前面に出すのはNG。店頭販売員としての経験をPRします。
この中から、志望動機で使えそうな材料を選びます。特に、最後の「前年比150%」という数値は強調したいところですね。営業の仕事で大切なのは数値だからです。
小豆洗いが転職を決意した背景には、原料偽装や嫌がらせ人事があります。しかし、志望動機などには、マイナスなことを素直に書く必要はありません。面接で聞かれたら答える程度で十分です。
原料偽装や嫌がらせ人事について答える場合も、あからさまにこまめを批判するのではなく、「こういう苦しいこともありましたが、結果としては全てプラスになりました」という前向きさを見せると好印象です。

前職での経験とウォーターサーバー営業をつなげる
最後に、前職での経験とウォーターサーバー営業とをつなげて志望動機を締めくくりましょう。
直接的なつながりを書くのは難しいでしょうから、「販売員としての経験をウォーターサーバー営業に活かしたい」くらいで十分です。
たとえば、「販売員としての経験を活かして、ミネラル豊富で安全性も高い天然水の魅力を人々に伝え、貴社のウォーターサーバーが『一家に一台』となることを目指します。」というのはいかがでしょうか?

異業種への転職をきっかけに新しい世界へ羽ばたく
志望動機を次のように書いてみました。字数は296字です。
異業種への転職というと、どうしても「難しい」というイメージを持たれがちです。
しかし、「前職での経験は、貴社での仕事に役立ちます!」と強調できれば、異業種への転職も不可能ではありません。
転職をきっかけに、新しい世界へ羽ばたいてくださいね!
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