不定詞の用法の見分け方は?英語の語順を意識すれば簡単に区別できる

みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記英語

先日、中学生のA君が英語の和訳で頭を抱えていました。A君は、次の2文の違いを理解できなかったのです。

1. I want to read books.
2. I want books to read.

1も2も使われている単語は同じです。一見すると、どちらも同じ和訳になるように思えます。そのため、A君は、どちらも「私は本を読みたい。」と訳しました。

確かに、wantとto不定詞の組み合わせで「~したい」を表す熟語表現になります。ただし、こう訳すのはあくまでも“want to do”という形のときだけ。2は、wantとtoの間にbooksという名詞が入っているので、「~したい」という役にはなりません。

1と2の和訳の違いの根拠として、学校や塾では、不定詞の3用法を教えます。

不定詞の名詞的用法と形容詞的用法

中高生が英文法でつまずく関門として不定詞があります。不定詞は「to+動詞の原形」という非常に単純な文法事項です。しかし、和訳をする上では、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3用法があります(「あります」というよりも、日本の英文法教育では3用法に分類されています)。この3用法で生徒たちが混乱します。

今回問題となるのは、不定詞の3用法のうち、名詞的用法と形容詞的用法です。先述の1,2の例文とともに、名詞的用法と形容詞的用法について考えてみましょう。

主語や目的語などの働きをする名詞的用法

1. I want to read books.

この英文のto不定詞は名詞的用法です。名詞的用法は、英文の主語や目的語などの働きをし、「~すること」と訳す不定詞です。

1の英文は、述語動詞がwantです。wantは、多くの場合他動詞として使用され、直後に「目的語」と呼ばれる名詞を置きます。たとえば、“I want you.”とは言いますが、“I want in you.”などとは言いません。want(動詞)とyou(名詞)の間に余計なものを入れてはいけません。

wantの後ろに、目的語として動詞を置きたい場合に不定詞が登場します。“want to do”の“to do”が「~することを」(目的語)になります。そのため、“want to do”は「~することを望む=~したい」と訳します。

したがって、1の英文は、「私は本を読みたい。」と和訳します。

名詞を修飾する形容詞的用法

2. I want books to read.

この英文のto不定詞は形容詞的用法です。形容詞的用法は、名詞を修飾する働きをし、「~するための」「~すべき」などと訳す不定詞です。

1の英文は、to不定詞の直前に名詞があります。後ろから前を修飾する後置修飾が英語の原則ですので、“to read”はbooks(名詞)を修飾すると考えます。

したがって、2の英文は、「私は、読むべき本が欲しい。」と和訳します。

不定詞の3用法を覚える前に

不定詞の3用法がどうこうという話は、学校でも塾でもうるさいくらいに言います。しかし、3用法の違いを生徒たちはなかなか理解できません。それもそのはず、不定詞の3用法を理解する大前提を、多くの生徒たちは分かっていないからです。

英語と日本語は根本的に異なる言語

そもそも英語と日本語は根本的に異なる言語です。高校受験や大学受験で問われる英文法を理解する上で大切な違いは語順です。英語は語順が厳密に決まっているが、日本語は語順がいい加減、ということです。

たとえば、日本語では、「私は彼と公園で野球をした。」も「私は公園で彼と野球をした。」も「公園で私は彼と野球をした。」も全て同じ意味で、どれも間違いではありません。

一方、これらの日本語を英訳すると、“I played baseball with him in the park.”が唯一の正解です。“I played with him baseball in the park.”や“I played in the park baseball with him.”などは誤りです。

英語は語順が違えば文法的意味も和訳も異なる

「英語は語順が命!」なのです。当然、同じ単語で構成された英文も、語順が違えば文法的意味も和訳も異なります。語順がいい加減な日本語の感覚で英語を考えている限り、英文法を理解することは不可能です。

英語が苦手な中高生は語順・時制・名詞に注意!英文法は日本語と違う
英語と日本語のルールを混同しないように「語順」「時制」「名詞」の3つを常に意識しましょう。英文法ミスを自覚することが英作文上達への近道です。

冒頭の1と2の英文は、booksの位置が違っています。このことに気づいて「日本語に訳すときに意味が変わるんじゃないかな?」と発想できる生徒は、不定詞の3用法で混乱することもありません。逆に、A君は、英語と日本語の語順の違いを理解できていませんでした。だから、1も2も同じだと思ったのです。

不定詞の3用法を理解できない中高生には、まずは英語と日本語の根本的な違いである語順を意識させるといいでしょう。

トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ

 

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