塾や参考書の解説を使って勉強しても算数や数学ができないのは何故?

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みみずく戦略室

塾に通ったり参考書を解いたりして算数や数学を勉強している生徒たちの中には、一生懸命やっている割に成績が振るわない生徒がいます。そういう生徒は、どうして算数や数学ができないのでしょうか?

一般的に、算数や数学の勉強で「解法丸暗記はよくない」といわれます。そのため、算数や数学が不得意な生徒たちは、「暗記ではなく本質を理解しなさい」とアドバイスされることが多いようです。一方、受験アドバイザーの和田秀樹さんは「数学は暗記だ」と謳い、多くの支持を得ています。

一見相対立する「本質の理解」と「解法の暗記」。しかし、算数や数学ができない原因は、理解や暗記がどうこう以前のところにあると僕は思っています。なぜなら、塾や参考書の解説は、それを真似てもできるようにならない代物ばかりだからです。

本記事では、「塾や参考書の解説を使って勉強しても算数や数学ができないのは何故?」を分析しつつ、僕の指導スタンスを紹介します。

どうして相似に注目するの?

以下の問題を使って、塾や参考書の解説の問題点を分析します。

下の図は、一辺が4cmの正方形とAE=AF=5cmの二等辺三角形を組み合わせたものです。DF=3cmのとき、三角形AFGの面積を求めなさい。

みみずく戦略室

塾や参考書の解説では、「三角形ABGと三角形EFGは相似である。」で始まります。ここに問題があります。

何の前置きもなく唐突に「三角形ABGと三角形EFGは相似」といわれても、算数や数学が苦手な生徒たちの多くは、「そもそもどうして相似に注目するの?」と思います。しかし、彼らは自力で「どうして?」を解決できません。だから、「解法を覚えちゃえ!」となって、そういう勉強(?)を続けた挙句に解法丸暗記マシンと化します。もちろん、意味も分からずただ暗記しているだけなので、ちょっと問題をひねられると、手も足も出なくて撃沈します。

塾や参考書の解説には、解法が書かれていても、その前提となる「どうしてその解法を使うの?」が書かれていません。だから、多くの生徒たちは、解法を真似る勉強(?)を繰り返しても、算数や数学の成績が伸びないのです。

相似に注目する理由

では、どのような思考過程で問題を解けばいいのでしょうか?実際に、僕が問題を解く際の思考過程をお見せします。

まず、「三角形AFGの面積を求めなさい」とあるので、素直に「三角形の面積=底辺×高さ÷2」の公式を思い浮かべます。このとき、長さが分かっている辺を底辺に設定してみます。AF=5cmと分かっているので、「AFを底辺にしたら、どこが高さになるかな?」と考えます。しかし、高さになりそうな線分は無いし、補助線を引いても上手くいかなそうです。そこで、「別の解法は無いかな?」と視点を変えてみます。

このとき、三角形AFGを含む図形を探します。なぜなら、ある図形の面積を公式で求められない場合は、その図形を含む別の図形の面積から不要な図形の面積を引く解法が一般的だからです。

というわけで、三角形AFGを含む三角形AEFを見つけました。三角形AEFは二等辺三角形なので、DF=DE=3cmでEF=6cmです。したがって、三角形AEFの面積は、EFを底辺、ADを高さとして、6×4÷2=12(cm2)と求められます。

三角形AEFの面積を求めた後、「不要な図形である三角形EFGの面積を求められないかな?」と考えます。このとき初めて、「三角形ABGと三角形EFGは相似」に注目すれば三角形EFGの面積を求められそうだ、と気づくわけです。

以上を解説としてまとめると、次のようになります。

みみずく戦略室まず、三角形AFGを含む三角形AEFの面積を求める。

三角形AEFは二等辺三角形なので、DF=DE=3cmでEF=6cm。

したがって、三角形AEFの面積は6×4÷2=12(cm2)。

次に、三角形EFGの面積を求める。

三角形ABGと三角形EFGは相似で、相似比は4cm:6cm=2:3。

図のようにIとJを定めると、IG:JG=2:3より、JG=4×(3/5)=12/5(cm)。

したがって、三角形EFGの面積は6×(12/5)÷2=36/5(cm2)。

以上より、三角形AFGの面積は、(三角形AEF-三角形EFG)=12-(36/5)=4.8(cm2

逆算思考と情報整理の精度を高める

僕が自分で問題を解くときに、もしくは生徒を指導するときに重視しているのは、「何を求めるか?」と「どのような解法で求めるか?」の2点です。そして、この2点を意識しながら(させながら)、求めるべきものから逆算しつつ情報を整理していくことを徹底しています。

こうした思考過程の前提として、解法の本質的な理解が必要ですし、よく使う解法は暗記すべきです。「本質の理解」と「解法の暗記」を両輪としつつ、逆算思考と情報整理の精度を高めていくのが僕の指導スタンスです。そして、このスタンスは、算数だけでなく国語でも同様です。

トップ画像=Pixabay

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