【ニュートン算】牛が牧草を食べつくす日数?線分図と消去算とグラフ

みみずく戦略室 特殊算

ある量が増えながら減っていくタイプの問題を「ニュートン算」といいます。

ニュートン算の中から、牛が牧草を食べつくす日数を求める有名問題を解説します。

3つの草の量を考えよう

【例題】ある牧場で、6頭の牛を放すと9日間で草を食べつくします。また、8頭の牛を放すと6日間で食べつくします。この牧場に11頭の牛を放すと、何日間で草を食べつくしますか。ただし、草は毎日一定量生え、どの牛も1日に一定量の草を食べるとします。

【例題】では、草の量を考える必要があります。

最後の文に「草は毎日一定量生え、どの牛も1日に一定量の草を食べるとします」とあります。そのため、1日で生える草の量と、牛1頭が1日で食べる草の量を考えるべきなのはわかるでしょう。

他にももう一つ、考えなければならない草の量があります。それは、もともと生えていた草の量です。

これら3つの草の量が全てわかっていません。そこで、まずは牛1頭が1日に食べる草の量を1にしてしまうのがコツです。

シイタケくん
シイタケくん

牛1頭が1日に食べる草の量は1じゃないとダメなんですか?

エリンギ先生
エリンギ先生

1でなくても、2でも3でも15でも678でも、何でも構わない。どんな数字にしても、最終的には同じ答になるよ。

エノキさん
エノキさん

同じ答になるなら、1にした方が簡単ですね。

線分図で解いてみよう

線分図を使った解き方が有名です。

1頭の牛が1日に食べる草の量を1、1日で生える草の量を①とします。

もともと生えていた草の量を左端によせて、「ある牧場で、6頭の牛を放すと9日間で草を食べつくします。また、8頭の牛を放すと6日間で食べつくします。」を線分図で表します。

【ニュートン算】牛が牧草を食べつくす日数?線分図と消去算とグラフ

線分図の差(赤い線)に注目します。

【ニュートン算】牛が牧草を食べつくす日数?線分図と消去算とグラフ

③=6なので、①=6÷3=2です。したがって、もともと生えていた草の量は54-⑨=54-2×9=36とわかりました。

「この牧場に11頭の牛を放すと、何日間で草を食べつくしますか。」で、□日間で草を食べつくすとすると、2×□+36=1×11×□と表せます。11×□-2×□=36より、□=36÷(11-2)=4日間が答です。
【ニュートン算】牛が牧草を食べつくす日数?線分図と消去算とグラフ

消去算で解いてみよう

計算が得意ならば、消去算で解いてしまうのもよいでしょう。

【消去算】連立方程式は小学生でも解ける!加減法と代入法は簡単だよ
いくつかわからない数があるとき、式を作ってこれらの数を求めるのが消去算です。中学数学の連立方程式を先取りし、加減法と代入法を理解しましょう。

牛1頭が1日に食べる草の量を1、1日で生える草の量を□、もともと生えていた草の量を△とします。

「生える草の量+もともと生えていた草の量=牛が食べる草の量」なので、□と△で式を作って、消去算で解きます。

「6頭の牛を放すと9日間で草を食べつくします」から、□×9+△=1×6×9 …(ア)です。

「8頭の牛を放すと6日間で食べつくします」から、□×6+△=1×8×6 …(イ)です。

(ア)ー(イ)より□×9-□×6=54-48となり、□=6÷(9-6)=2です。これを(ア)に代入して、2×9+△=54となり、△=54-18=36です。

牛1頭が1日に食べる草の量を1とするとき、1日で生える草の量が2、もともと生えていた草の量が36とわかりました。

11頭の牛が◇日間で草を食べ尽くすとすると、2×◇+36=1×11×◇となります。11×◇ー2×◇=36より、◇=36÷(11-2)=4なので、4日間が答です。

グラフ(ダイヤグラム)で解いてみよう

グラフ(ダイヤグラム)を使っても解けます。

たとえば「6頭の牛を放すと9日間で草を食べつくします」をグラフで表すと次の通りです。

【ニュートン算】牛が牧草を食べつくす日数?線分図と消去算とグラフ

0を通る直線が、6頭の牛が食べる草の量です。この直線と、生える草の量を表す直線が交わった点に、6頭の牛が食べつくした草の量と日数を書きこみました。

牛が食べる草の量を表すグラフを省略しましたが、8頭の牛が食べつくした草の量と日数も書きこんだのが下の図です。黄色い三角形に注目して、1日で生える草の量は6÷3=2です。

【ニュートン算】牛が牧草を食べつくす日数?線分図と消去算とグラフ

下の図の黄色い三角形に注目して、6日で生える草の量は2×6=12です。したがって、もともと生えていた草の量は48ー12=36とわかります。

【ニュートン算】牛が牧草を食べつくす日数?線分図と消去算とグラフ

11頭の牛が□日間で草を食べつくすとすると、2×□+36=1×11×□と表せます。11×□-2×□=36より、□=36÷(11-2)=4日間が答です。

お気に入りの解き方を見つけよう

牛が牧草を食べつくす日数を求める問題には、いろいろな解き方があります。

今回は線分図と消去算とグラフ(ダイヤグラム)を紹介しました。他にも解き方がありますので、自分で探してみるのも楽しいでしょう。

お気に入りの解き方を見つけて、ニュートン算を得意にしてください。

次の質問に答えましょう。(解答例は最後のページにあります)

① 牛が牧草を食べつくす日数を求める問題では、何の量を考えますか。

② 牛1頭が1日に食べる草の量をどうしますか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました