【子ども向け文章の書き方】小学生でも理解できる文章を書くコツ

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みみずく先生のプロ家庭教師&ライター奮闘記

僕は、小中学生が使用する国語教材(学校教材や塾用教材など)を作成する仕事をしています。そのため、文章の書き方にはかなり気を遣っています。どのような年齢層が読者になるかで、使用語句や文体などを変えなければならないからです。

本記事では、以下の文章のリライトを通して、子ども向け文章を書くときのコツを紹介します。

ヒアリは南米大陸原産のアリで、アルカロイド系の毒を持っている。ヒアリは、獲物の捕獲や外敵からの防衛の際、腹部の毒針で攻撃する。人がこの針に刺されると、痛みやかゆみに襲われたり、じんましんを発症したりする。このように危険なヒアリが日本各地で発見されたため、国や地方自治体は注意を呼びかけている。

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子ども向け文章の書き方

子ども向け文章は、難しい漢字にルビを振ればよいというものではありません。特に、学校教材の場合、さまざまな制約があります。

今回は、小学4年生が読むことを想定して、冒頭の文章をリライトしたいと思います。

文末は「です」「ます」調

原則として、文末は「です」「ます」調(敬体)に統一します。

たとえば、「持っている」は「持っています」に、「攻撃する」は「攻撃します」に書きかえます。

1文は短く

1文は、どんなに長くても40字程度までに収めます。また、1文には主述関係が1つ、情報も1つにすると読みやすくなります。

たとえば、「このように危険なヒアリが日本各地で発見されたため、国や地方自治体は注意を呼びかけている。」は、「このように危険なヒアリが日本各地で発見されました。そのため、国や地方自治体は注意を呼びかけています。」と書きかえます。このように、複数の主述関係や情報が盛り込まれている長い文は接続詞を使って分割します。

配当漢字を意識する

一般の書籍であれば、難しい漢字にはルビを振ればOKです。しかし、学校教材では、文部科学省が定める「学年別漢字配当表」を意識して漢字を使用しなければなりません。

小学4年生が使用する学校教材の場合、小学5年以上で習う漢字の使用は原則NGです。そうなると、「獲」は小学校で習わないため、「獲物」「捕獲」という言葉は使えません。かといって、「え物」と表記すると読みづらくなります。この場合、「獲」は「獲る」と訓読みするので、この訓読みをひらがな表記します。「獲物の捕獲」は「エサをとること」などと言いかえればOKです。

難しい言葉を避ける

子どもがパッと理解できない言葉の使用はできるだけ避けます。「南米大陸原産」は「南アメリカ大陸生まれ」に、「発症」は「出る」に書きかえます。

また、学校で習わない専門用語や高学年で習う言葉は、どうしても必要な場合以外は使いません。「アルカロイド系」「地方自治体」などはカットします。情報の正確さよりも、情報の伝わりやすさを優先します。

読者層を想定して書く

以上の書き方をふまえて、小学4年生が読みやすいように、冒頭の文章をリライトしてみました。

ヒアリは南アメリカ大陸生まれのアリで、毒を持っています。ヒアリは、エサをとったり身を守ったりするとき、ハリで相手をさします。人がこのハリにさされると、いたみやかゆみを感じます。また、じんましんが出ることもあります。このようにあぶないヒアリが日本中で発見されました。そのため、国などが注意をよびかけています。

パッと見で漢字が激減しました。それだけでなく、全体的に1文が短くなっています。子ども向け文章を書く場合、このレベルまで文章を書きかえる必要があります。

一方、自治体のHPにある子ども向けページなどは、難しい漢字にルビを振っているだけの手抜きが多く見られます。これを読んだ子どもは、文章を音読できても、内容を理解できないでしょう。

僕たちライターは、このような手抜きをしてはいけないと思います。読者層を想定した上で文章を書くスキルがライターには求められます。

トップ画像=フリー写真素材ぱくたそ / モデル=ゆうき

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